林業家さんというのは、今自分が植えた木も、木材として使用できるのは、次の世代か、また次の世代だと言います。
木の成長には、50~100年必要だからです。
そういう長い時間軸でものごとを考えるのはとても重要です。
会社にいれば、目の前のことに集中し、成果をあげなくてはいけません。
しかし、成果の時間軸というのは、1日の場合もあれば、何年にもに及ぶこともあります。まして前述の木材などの場合は、何十年に及びます。
とかく、自分が努力した結果は自分たちが摘み取りたいものです。
例えば、何かの組織に属しているとします。
一番いい例が地域の役なんかがそうです。
私たちが住んでいるところでは、おそらくほとんど例外なく、役が回ってきます。
そこではことなかれ主義で、とにかく波風立てないように、やりすごそうという人を大勢知っています。
しかし、地域の悪しき慣習を変えていったりするために、自分の任期では結果が出ないこともあります。
自分たちが一生懸命に取り組んでも日の目をみることもなく、次の世代のときに花開くことだってあるわけです。
むしろそんなことのほうが多いかもしれません。
だから自分たちが取り組んだ結果が、自分たちが辞めたあとに結果として花開くとおもうぐらいのほうがちょうどいい場合もあるわけです。
だから、組織などというのは、実のところ、自分がいなくなってからが本当の価値を発揮するもので、正しい世の中というのは、実はそんなところなのかもしれません。