地方創生で重要なことの一つに、どうやって交流人口を増やすかとうことがよく言われます。観光をどう磨くかということが、地方創生の一つの柱になっています。
その場合、だいたいにして、観光の旗振り役は、観光協会であったり、宿泊事業者など、直接的に恩恵を受ける人です。
しかし、それ以外の人は、あまり『観光』ということは言っていないように思います。
なぜなら、それは『自分ごとでない』と思っているからです。
非常に短絡的に考えると、宿泊業者、土産物店、飲食店以外に直接お金がおちたという実感は感じることはありません。だから、『他人事』と思えてしまうのでしょうか?
私は建設業を営んでいますが、建設業ももっと、観光を意識すべきだなと感じたことがあります。
香美町には、西ケ岡棚田や、うへ山棚田など、日本棚田100選に入っている棚田がふたつもあります。
もちろんそれ以外の棚田も農村部の美しい景観を作り出しています。
一方、この地域でもたびたび、豪雨による土砂災害が発生し、田んぼの畦畔が崩壊するなどがおきています。
そして農地を復旧する際には、だいたいブロックを積んでいます。
単に復旧をすればいいだけなら、崩壊した場所にブロックを積み上げるだけです。
それは汎用品で入手が簡単だし、工事費も安価だからということもあるのでしょう。
しかし、棚田が観光資源だと考えるとそれは適切な判断とはいえないと思います。
棚田の美しさは、畦畔をしっかりと草刈りをして芝生のように覆われたようなものであったり、石を巧みに組み合わせた石積みであったり、そんな風景にあると思います。
であれば、今は、景観的なものに配慮したさまざまな工法、商品もあります。
多少費用がかかったとしても、そのような復旧を目指すべきです。
観光資源を磨いていくということは、訪れた人のためだけにあるのではなく、地域の人がそういった美しい景観の中で、豊かに暮らし誇りに思うことと両輪であるはずです。
だから、観光業者でないものも、どうやったら、この地域に人が集まるような魅力がつくりだせるのだろう…って考えることがとても重要なのです。
白米千米田…ここにブロック積みの畦畔があるとがっかりですよね。
