私が西村工務店の代表になったのは、32歳の時です。
それまで、父が社長を勤めて、その元で働いていました。
父としょっちゅうぶつかった私は、いつも文句ばかり言っていました。
『こんなやり方じゃダメだ』
『会社が悪い』
おそらく30歳ぐらいがそのピークだったように思います。
父は、32歳で会社のバトンを渡してくれたというより、そんなに思うことがあるんだったら、おまえがやってみろよ…
そんな心境だったのでしょう。いま思えば、よくもこんな若造にバトンを渡したものです。
私もずるいもので、文句を言っている間は、責任がないからいいたい放題でした。
しかし、バトンを渡された瞬間から、一切文句が言えなくなりました。
なぜなら、文句があるなら、自分の責任において、替えられる権限を手に入れたからです。
そのときの経験があって、無責任なやつほど、言いたい放題だということに気づきました。
私自身、正直、行政については思うことは山ほどあるし、ときどき愚痴を言うこともあるけれど、究極的には、そんなに文句があるなら、そう思うやつが首長やればいいじゃないか
って思います。
文句を言っている間は、無責任なんです。
行政運営は、役所がやるだけのものではありません。
行政サービスとは言っても、いまどき民間であらゆるサービスがあります。
不満があるところは行政から奪えばいい。
いまや、インフラ整備だって民間が資金を投入するような時代です。
できることには限りがあるかもしれないけれど、そこに大義があるのなら、必ず変化をおこすことができます。
自己の利益のために、多くのひとが動くことはありません。
ものごとが動くときっていうのは、大義があるときです。
不満はもちろんあっていい。だけれど、その不満を解消させることが愚痴だけではそりゃ、いくらがんばっても動かないでしょ。
小さくてもいい、愚痴る前に行動。そこから道は開かれます。