但馬人は「キングオブスキー」たれ | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

ノルディック複合は、ノルウェー、フィンランドなど北欧諸国においては、絶大な人気を誇るスポーツで、その勝者は「キングオブスキー」と呼ばれています。

 

そんな競技をいまや多くの日本人はしるところです。

それはとりもなおさず、荻原健司、次晴兄弟、そして河野孝則さんなどの、黄金時代を築きあげた先達がいたからです。

 

次晴さんにいたっては、タレントとして活躍もされています。

 

日ハムの大谷選手のように、二つの種目(投手とバッター)をこなすアスリートもいますけど、通常は単一種目のスペシャリストにくらべると、それぞれの競技としての成績は劣りますが、キングオブスキーたる所以は、ジャンプとクロスカントリーという特性の異なる競技をこなし、総合的な能力が問われるからです。

 

日本では「一兎追うものは二兎を得ず」という諺があるとおり、成功者たるには、他のことは切り捨てるべし…という発想があります。

 

私は、但馬で生きていく発想には、このノルディック複合のように、複数業種をこなしながら、総合的な力を発揮していくことが必要だと思います。

 

但馬は、雪深いところです。

 

例えば農業においては、淡路のように大きな野菜農家は存在しません。1月~3月までは、雪に閉ざされ農業ができないところが多くあるからです。

 

また、スキー産業はその逆で雪がなければ成り立ちません。

 

但馬は酒造りの総責任者である杜氏さんを多く輩出することで有名で、日本三大杜氏の一つに数えられているのも、雪があって農業ができないため、京都や灘などの酒屋に多く出稼ぎに行っていたからです。

 

今は、農業でいえばハウス栽培があったりするので、そういった厳しい気象条件を乗り越え、年間を通して農業ができる環境も整いつつありますし、現にそうしてプロの農家として活躍している人も大勢います。

 

まさに二兎を追わず、一兎を追って、最大の成果をあげようという発想です。

 

しかし、キングオブスキーの称号があるように、2種類の業務それぞれのプロフェッショナルとなって、総合的に勝ち上がっていくということもありなわけで、但馬はまさに、そんなフィールドだと思います。

 

例えば、スキーのインストラクターと、農業の二足のわらじをはきながら、それぞれで研鑽を励み、それぞれにプロとしての力を蓄えていくということもできると思います。

 

そういった人は今でも多く存在しますが、ほとんどの人が、個人としての活動にとどまっています。建設業も、気象に左右されやすい業種ですから、屋根工事とか、基礎工事とか、そういった職人さんなどで、二足のわらじを履いている人を大勢知っています。ただ、みなさん個人として成り立っている人がほとんどです。

 

会社にとっては、繁忙期、閑散期に応じて、人が頼めるということでいうと、そういう人のほうが便利かもしれませんが、教育を施し、本当のプロとして育成していくためには、会社の社員として受け入れる覚悟が必要なような気がしています。

 

私の会社では、まだそういう人はほとんどいませんが(一部試行的には行っていますが)、今後はそんな人材をつくっていくことで、この但馬の雇用環境に貢献しなければいけないと思っています。

 

但馬人は「キングオブスキー」たれとは、そういうことです。