今廻りを見るとどうなんでしょう?
いろんな業界で、人が不足しているという声を聞きます。
実際、但馬地域の有効求人倍率をみると直近(28年9月)で、1.46となっており、おそらくもっとあがっていくような感じもします。
有効求人倍率は、景気の一つの判断材料だと言われていますけど、私の身のまわりにおいての実感は異なっているような気がします。
特によく聞かれるのは、働き手が高齢化し、若い人が入ってこないという話。
私は建設業が主なフィールドですので、職人が全体的の高齢化しており、20代、30代の職人をほとんど見ません。
一番活躍しているのが、50代、60代です。
また、近く旅館関係の知人も大勢いるのですが、若い従業員もあまり聞きません。
私がこの状況で一番感じるのは、やはり人口の構造的な問題ではないかと推察します。
おそらく、この状況は改善する方向にはあまり向かわず、より顕著になっていくのではないかと思います。
但馬地域はさまざまな産業で、季節変動が大きいため、年間雇用の従業員を確保することが難しいところがたくさんあります。
これまでは、農業という基幹産業があり、その閑散期である冬に、スキー場や旅館に勤めて年間の雇用をコントロールしているという状況がありました。
しかし、農業従事者が、高齢化し、次世代農業者も参入が少ない状況であること、また若い方も季節的な雇用を転々とするところから年間を通じて安定的に雇用できるところに行く傾向にあります。
そういった状況が今の雇用状況を厳しくしているのではないかと思います。
やはり「企業は人なり」でまずは人材が確保できないと業務を遂行することは難しいです。
私は、この状況を打破するためには、地域の企業が連携することが重要だと考えます。
このためには企業が連携し、従業員が安定的に雇用できる状況を企業側がつくっていくことが必要だと考えます。
社会はますます複雑になり、自分で自分の仕事場を確保するという考えから、組織が社会保険などの福利厚生を充実させながら、働き手の仕事を守るという考えに代わってきています。
となれば、お互い繁忙期の異なる企業同士が連携をし、その一人の雇用を組織の仕組みとして担保していくことになってきます。
派遣労働法などのさまざまな制約がありますが、それらを乗り越えていかないと、但馬からはますます人が流出していくことになりかねません。
地方創生では「新しい仕事をつくる」ということに目が向けられがちですが、今ある産業をさらに強く、安定的なものにするという視点もしっかりと持つ必要があります。