先日、カンブリア宮殿の石見銀山生活文化研究所の松場夫妻が出演している番組をみて、印象に残ったフレーズがありました。
田舎には暮らしの中に仕事があるが、都会では、仕事の中に暮らしがある。
私は、田舎ものですけど、仕事の中に暮らしがある生活…、いや仕事はあるけど、暮らしはないかも…。
とグサッと刺さったような気がしました。
以前、業界の研修で、石見銀山を訪れ、生活文化研究所さんに無理言っていろいろご案内してもらったことがあります。
当初は、社員の方が対応していただくことになっていて、それはそれでも十分にありがたいお話しだったのですが、当日、現地に足を運んでみると、松場大吉代表自らが、いろいろとご案内をさせていただくことになって、もう大感激しました。
一応はアパレル会社ということになっていますが、古民家の再生も手掛けられていて、構造だとか、仕様だとか、それはそれはとてもお詳しく、建築業界の人間より、よく知ってらっしゃるんじゃないかと思ったほどです。
そして『暮らす』という、人間の営みの根本のところを、ずっと探求されている姿勢に深い感銘を覚えました。
テレビをみて、そんな記憶がよみがえってきました。
そして、自分自身の『暮らし』を軽視している生活に、大いに反省をしました。
人には毎日の衣食住があります。
仕事というのは、本来、それは生活のための手段であったはずなのに、今は、いつの間にか仕事ということが、目的になってしまっているところがあります。
やはり、それは、どこか不自然です。
究極的に言えば、食料があって、食べることができ、ぼろな家でも住まう場所があって、小汚くても衣服があってと、そういう最低のもので人間は生きるには困らないはずで、その延長により人らしい『暮らし』をするために、仕事を通じて、お金を得ているわけです。
やはり、松場ご夫妻の生き方は偉大だなと思います。