さきに、デービットアトキンソンさんの著書を読んて、
『観光立国で日本が経済成長するためには、文化財の保全にもっと力を入れなくてはならない』
ということをお伝えをしました。
しかし、冷静に、なぜ人はそういうものに心惹かれていくのか、ということを自分なりに考えてみました。
私もすくなからぬ外国に行って、そういうものを数多くみてきました。
私自身は、美術工芸に関して、まったく知識を持ち合わせていません。
ですが、外国に行けば、美術館や、博物館にお決まりのように行きますよね。
その国の文化を感じ取って、その国の歴史の成り立ちや今にいたるまでの背景や、その他いろいろと想像するわけです。
そこで、感じることは、当然ながら、私たちの日常にはないものがそこにはありますが、現地の人々は、そういうものをよりどころしながら、生活をしているということに気づきます。
世の中には、自分たちとは異なるものが日々動いているとそんなことを感じるわけです。
学ぶこともありますが、根本的には、私たちの生活とは異なるものがあるということを分かるぐらいです。
自分たちが日々生活していると、目にするもの、身の回りにあるものがそれがさも当たり前のように感じることが多々あります。
しかし、世の中すべてのことが、当たり前なものはどれ一つとしてありません。
自分の身の廻り以外のものにふれたときに、非日常を感じ、さまざまな感情が沸き起こります。そして、そういう感情が、自分の考え方の枠を広げることにつながります。
そうすると、日常のことも、いつもと違ったとらえ方ができたりして、実は日常というのは、当たり前ではないのだ、ということに気づき、それが、日々の生活の中に生きてくるだと思います。
世の中は多様なのだということを知る一つのモデルが、美術、工芸を通して知るということではないのかなと…
そんなふうに思います。