
地元の高校さんのお話をお聞きすると、今年卒業見込みの3年生は、そのほとんどが進学をされるのだそうです。
この3年生からの進学が、田舎にとっては人財をとどめておくか否かのキーを握ります。
かつて、私もそうであったように、より高度な知識や経験をえたくて、進学を果たすことは、これはもうしかたないこと。
というか、むしろ、一度違うところに身をおくことは、人生の経験でとても重要なことです。
ですが、昨今の過疎化問題を解決するにあっては、このいったん田舎を離れて、外に身をおいて、『気持ち』が外に離れてしまうことをなんとしても阻止しなくてはならない。
大学専門学校の所在地は、圧倒的に都会が多く、地方大学といえど、県庁所在地に近いところも多いです。
やはり若い人には魅力的なものがたくさんあり、その誘惑は、なんともしがたいものがあります。
私は、大学を京都で過ごしましたが、特に京都というところは、大学数の多いところで、町には学生があふれ、それによって街に活気を生み出していることも事実で、そういうところに身をおいてしまうと、そりゃー間違いなく、だんだんとマインドはそこにおきがちになりますね。
まして、学費や生活費などの仕送りなどを受けて、実際に生活するお金を自分が稼がない身で、勉強だけに専念できる環境にあると、都市でこれだけ生活費かかるんだという負の部分というのかそういう部分はなおさらに見えなくなるし、もしそういったものをアルバイトでねん出しているような人も、そういうところはアルバイトも多数あるわけで、もう完全にマヒしてしまいます。
そういう生活を2年または4年で引き剥がすとなると、相当な努力が必要です。
しかし、行政は、そのことにはほとんど手をつけていません。
田舎への就職ガイドなるものをつくって、地元企業の紹介はしているけれど、それまでの2年間とか4年間、気持ちが田舎から離れないように、何らかの手立てをすることが必要だと思います。
成人式を迎えるときに、多くの人が帰省して、プチ同窓会みたいな雰囲気で旧友との絆を確認したりするようなことを、行政が戦略的に、3か月とか半年とか、気持ちが切れないように、常にコンタクトをとるようなことが必要なのかなーと思います。
ほとんどの地方の自治体は、都会からの流入人口を増やすべく、相当な努力をしています。新たな人の流入もさることながら、地元出身者の気持ちをいかに離れずにずっと心をここにおくのか…
そこを考えてみるという戦略が必要ですね。