先日の、スポーツツーリズムの講義の中で、市川崑監督のドキュメンタリー映画『東京オリンピック』の一部分を拝聴させてもらいました。
見せていただいたのは、前半の15分ぐらいです。
それをみて猛烈に感動したのと同時に、私たちは果たして日本国民として、当時と同じ気持ちでオリンピックを迎えられるのだろうか…ということを感じました。
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僕が釘付けになったのは、4分から12分のところ…。
聖火リレーのシーンです。
ギリシアから聖火が灯され、アジアをずっと陸路でリレーされてきたんですね。
そして、日本に上陸したのは、沖縄。
当時は、まだアメリカに返還されるまえですよ。
そして、ちょうど、先日オバマ大統領が、感動のスピーチをされた広島のあの場所で、ごまんといる市民の間を通り抜ける…
さらに毅然と鎮座する富士山の前通り抜ける…
世紀の瞬間にこの目に焼き付けようと、老若男女が、聖火の前に列をなす…
1965年という今とはずいぶんと違う時代背景。
外国を聖火リレーするシーンも今は、それほど難しくないことかもしれないけど、当時の外交の状況とか考えると、とんでもないシーンであり
映像にしたって、ドローンで簡単に空撮できるような今の時代と違い、ヘリや飛行機を綿密な計算で飛ばしてたんだな…
そんなことを思うと、当時の人々が、どんな思いでオリンピックを迎え入れたのかが、もう胸にがんがん突き刺さってきます。
それに比べると、私たちがそれを思う気持ちは浅はかな気がしてなりません。
なんでも容易に手に入る時代になって、本当に大事なものを失っているような気がします。
今私たちに必要なのは、自分たちの限界を超えてひとつのことを成し遂げようとする気持ちなのだと…
そう感じました。
今ならまだ間に合います。
もう一度日本が心を一つにできるチャンスは、そうそうあるものではありません。