兵庫県は、全国でも類をみないほど、体験学習が充実していますね。
小学5年生の自然学校。
中学生のトライやるウィーク。
現場では、いろいろ大変だということを聞きますが、こういう体験学習は、素晴らしい取組だと思います。
目的やねらいはいろいろあると思いますが、私は『生きる力を育む』ための教育だと理解しています。
しかし、『生きる力』というのは、なんとなくわかっているようでわからないですね。
東日本大震災のような、とてつもない出来事があると『生きること』という意味について深く考えさせられますが、普段の生活で、そういうことはあまり意識しません。
経済が複雑になってくると、いわゆるサービス業が占める割合が大きくなりますから、自分のないわいが『生きる』ということにどう直結するのかわからなくなってしまうときもあります。
『生きる力』というのは、究極的にいうと、自然界から、作物や、獲物を得て、それを口に運び、一日でも長く生きながらえることだといえます。
サービス業をやっていて、生きる力とどうつながっていくのかといっても、なかなかピンときませんね。
大事なのは、自分がやっていることが、そういう究極的な狩猟をして生きながらえるというものとの関係性を理解していくことだと思います。
想像力を働かせて、自分が、実際に口に食べ物を運んで生きているということをイメージしながら、日々を大切に生きるということ、
これが大人社会においての『生きる力を育む』ということだと思います。
本当は、子どもたちだけでなく、大人も『生きる力を育んで』いかなければならないと思います。
別に、大人に林間学校に行けって話をしているわけではありません。
ふと立ち止まって、自分自身がいわゆる食物連鎖の関係の中に身をおいて想像していくってことをやってみる、そのことが大人にとって必要な生きる力を育むことだと私は思います。
農業や、漁業、はたまた狩猟者など、『いのち』を頂戴する最先端の現場からはじまり、流通があり、加工があり、そしてそれを私達の手元まで手繰り寄せ、そしてそれらを道具を使って調理して、食べて、やがて排泄する。
その一連のプロセスを自分なりに考えていく。
みなさんも立ち止まって『生きる力を育む』んでみてはいかがでしょうか?