養父市が国家戦略特区になって、国の政策課題としては、中山間地の耕作放棄問題の解決にあります。
企業参入が相次いでいるけれど、私の耳に飛び込んでくるのは、廃校を利用した大資本による水耕栽培だとか、ハウス栽培だとかそういう話ばかりです。(耳に入っていないだけでかもしれませんが…)
まだまだ、改革は途に就いたばかりでしょうから、今の状況を評価するには早いかもしれませんが、私の正直な感想としては、根本解決の道筋とは少し違っているのではないかと思っています。
一つは、耕作放棄地を再生するという問題ですが、割と耕地面積の広い農地の放棄地問題は、作業効率もよいので、すぐに借り手や買い手がつくのではないかと思います。耕作放棄地でもっともやっかいなのは、山の裾野にへばりついている棚田や段々畑です。瀬戸内などでは、そういう場所を果樹園などにしているところも多くありますが、この辺りでは降雪の問題も抱えていて、農作物の種類も限られて居m佐生。
これらは、耕地面積が小さく、加えて、法面が耕地面積に対して広かったり、アクセスがよくないなど、悪条件が重なっています。耕作放棄地の面積は滋賀県の面積に匹敵するとよく言われますが、もっともやっかいなそういう農地も当然にカウントされているわけで、果たしてこの作業効率の悪い農地を解決するというアプローチしている事業者を私は知りません。
そもそもそういう農地が、今後も農地としてあり続けなければならないのかという話もありますが、もし耕作放棄地は問題と定義づけるならば、この問題をどう解決するのかは非常に難しい問題です。
そしてもう一つは後継者問題。
後継者が育たない理由は、さきの物理的な問題が大きいが故の儲かる農業になっていないからです。
養父市が農業特区に選ばれた理由は、同じような中山間地の問題を抱える地域が日本にはそこらじゅうにあって、全国共通の課題になっているからだと思いますが、相当知恵をしぼっていかないといけないですね。
中山間地に生きるものとして、自分なりにも何か課題が解決できないのか?いろいろ模索していますが、いまだきちんとした答えがでていません。