スキーは、感覚がとても重要なスポーツです。
であるがゆえに、練習しても練習しても、なかなか上達しないと思えば、ある日突然、ふっと成長できるときがあったりする非情なスポーツでもあります。
マラソンランナーなどにお聞きすると、練習量は裏切らないスポーツだといいます。
練習すればするほど速くなり、さぼると一気に遅くなる…そういう意味ではマラソンは努力のしがいのあるスポーツともいえます。
私のスキー経験でいうと、中学生のとき、けっこう練習したのに、ちっとも速くなれなかったのに、3年生のとき、突然ふっと速くなれた時がありました。
また、大学生のときも、練習量だけは負けまいと思って、人より何倍も練習をしましたが、思ったほどに成果があがらず、第一線をひいた社会人になって成果が現れたりしました。
まあ練習量だけをおいかけても、その練習方法が正しかったのかということはありますが、練習量とはなかなか正比例しないのが、スキー競技というものなのです。
しかし、逆にいえば、日ごろから常に練習をし続けないと、ある日突然にやってくる成長も得ることはできません。
だから、うまくなりたかったら、やはり練習を欠かすことはできないのです。
人生においてもそういう場面は数多いと思います。
がんばっているのに、なかなか成果が現れないときというのがあると思います。
もうそこはひたすら感情をコントロールして、耐え忍ぶしかありません。成果が出なくても気丈にふるまい、まわりとうまく溶け込んでいくしかありません。
そんな悩み苦しむ中にも人として成長できる部分はたくさんあるし、むしろそういう経験の中で人としての本質を試されたりもします。
うまくいかないからといって人にあたるのは、本当にナンセンスな話で、そういう中でも相手への思いやりや感謝の念をもつように努めることが、人としての成長につながります。
これは自分がしてしまったことに対する自戒をこめてでもあります。
世の中には、そんな世界もある。そのことを知っているだけでも、アドバンテージなのだと思います。