新潟長野の除雪能力は、屈指だと思います。もちろんオペレーターさんの技術も高いのでしょうが、なんといっても、それを管理していく能力が高いのだと思います。
一方地元村岡の除雪能力(オペレーターさんの技術)も決して劣ってはいないと思います。
ただ、いわゆる除雪をマネジメントするという観点においては、いささか見劣りする部分はあるのではないかと思います。
私が、かつてよく足を運んでいた妙高の積雪は、2mはざらな話で、ときに、3m越えするようなこともあると聞きます。
しかし、道路状況で困ったことはほとんどありませんでした。
むしろ、パニックを引き起こすのは、都市部により近いところです。
それは、そもそも除雪用の機械がないし、管理体制がそうなっていないからです。
一つの谷を越えたり、一つの山を越えるだけで、積雪の量がまるで違うということはよくある話で、けっこうその地域事情に応じた細かな体制の変化をつけていかないといけません。
公共の道路には、業務指示書というのがあって、それにいろいろとルールがあって、それに基づいた業務を行っているのですが、もう少しきめ細やかなものがあるといいのにと思います。
お役所のみなさんは、職責の移動や、担当者の変更などが頻繁に行われるために、どういう反省点があって、それを次にどう活かすべきなのかということがあまり論ぜられません。
いわゆるPDCAを回すことができていないんです。
業者の方は、毎年同じ人が、オペレーションしています。
だから、重機を扱うことはだんだんとうまくなっていきますし、常に住民の方の監視にさらされ、ときに叱責されながらやっているのが実情でもあります。
現場の最前線にいる人間は、直接住民と対峙しないといけないですが、マネジメント側もそれ以上にどうすれば、よりスピーディに住民満足につながるような除雪になるのか考えないといけません。
たとえば、排雪をする場所の確保のために、ガードレールを一部取り付けないとか、土地所有者への交渉とか…オペレーターの技術ではどうしようもないことです。
この地域に雪が降るために、スキー場などの雇用や産業を産んでいるので、雪は天の恵みそのものです。
それとは無縁な人にとっては雪は邪魔ものでしかありません。
もし、この雪が降ってたいへんだということが、中山間地域に住まうことへのバリアーになっているのなら、もっとマネジメント能力を高めていかないといけないのではないかと思います。