冬になると、落葉して、枝だけになった木々の合間から、山肌がよくみえます。
よく目を凝らしてみると、山に等高線に沿って、一本の水路が見えます。
地元ではイゼと言っています。
どういう字を書くがいまいちよく分かっていませんが、要するに、田んぼに水を引くための水路です。
延々と、何キロにもわたってそのイゼが続いているところもあります。
棚田が続いているということは、どこからか、水をたんぼに引き込んでいるわけですが、棚田の上手の方から必ずしも水をひいているわけではなく、このような水路を延々何キロもひいて水をとっているところがあるのです。
だいたいにして、30㎝から50㎝幅の水路と、その横を歩ける歩道が数十センチのところが多いです。
おそらく、昔の人たちが、手掘りで地道に作り上げたものなんだろうと思います。
昨今の大雨災害などで、抜けてしまったりすると、水の供給がストップしてしまいますからたいへんですが、重機などもまともに入らないところが多いのです。
このまえ、我が民宿にお泊りいただいたお客様が
『お米がとってもおいしくて…』
とおっしゃっていただき、とても光栄でした。
うちで使っているお米は、自社の社員が作っているものです。
まだまだ、ベテランの米農家さんに比べると、技術的にはまだまだだと思いますが、そのようにおっしゃっていただけるのは、ここの風土がそうさせているからだと思います。
うちで作っているお米も、昔から作っていた田んぼをお借りして作っているものです。
先人たちのそういった昔から積み上げてきたものをいま私達は享受させていただいています。
私達は、これから先の世代に何をのこしてやれるのでしょうか…。