半分妄想もありますが、思っていること書きます。
スキー場のそばで40年生きてきました。
スキーを楽しみに来られるお客様に宿を提供し、そこから得る収入で、生活をし、また学校に行かせていただきました。また、自分も日常の遊びとしてスキーをし、クラブ活動でスキーをやり、そこで人生のいろはも学びました。
海外にも行かせていただき、見聞も広げることができました。
地元で、スキーができるのは、わずか4か月ほどですが、海外に雪を求めたり、また長野などにも求め、およそ半年ほどスキーにのめりこんだ時もあります。
いまは、父の跡をついだ建設業を主軸に活動をしているので、雪上にたつ日数も昨年は20日ぐらいでしたが、いつも気になっています。
自分自身はこれだけスキーに関わって生きてきたけれど、世間のスキーに対する目はまだ相当厳しいように思います。
『スキーにほうけるな』(スキーばかになるな)とよくいろんな人からも言われたし、今もときどき雪山にあがっていると、そんなことを言われます。
『会社経営やってるのに、いつまでもスキーにほうけんと仕事ちゃんとしろよ』
そんなことも言われたりします。
よく、会社経営者でゴルフ好きな人もたくさんいるし、そういう人とたいして変わらないような気がしますけど、なぜかスキーというものに対する社会的地位はあまりよくありません。
私自身が、あれだけ好きだったスキーを生業にしていないのも、幼少の頃から、そういう刷り込みがあったのかもしれません。
スキーでは食っていけないぞ!
スキーを滑ることを生業にしている人は、ほんとに一握りです。
しかし、我が家がそうであったように、スキーというものに関わって生きている人は、けっこう多い。
スキー場を運営する人、スキー場でリフトの係をする人、スキー場でレストランや宿泊施設を運営している人、スキーのメーカー、スキーに行く道中の除雪業務、駐車場運営をやっている人、旅行社のひとたち、そんな人たちまでいれると、けっこうな産業となっているんじゃないかなーと思います。
そうであるにも関わらず、スキーを滑ることがまだ確固たる地位を占めていない。
地元にも少なからず滑ることを生業にしている人がいます。
そこから収入を得ていれば、それはプロに他なりません。
例えばスキーのインストラクター。
もちろん技術を教えることは大事なのですが、スキーの楽しさ、雪のすばらしさ、ときには人生をも変えてしまうような出会いになるような、そんなインストラクターであれば、スキーに対する見方が変わっていくんじゃないかと思います。
例えばパトロール。
安全な環境を提供するのが、基本的役目ですが、ゲレンデに行って、お客様と接する機会も多いはず。そんなところで、同じようにお客様がより高い満足を得られるように、ときにホストのように、ふるまうことができれば、パトロールかっこいい!ってなって、憧れの職業になってくるのではないか。
うちの二人いる息子のうちの一人は、将来ハイパーレスキューになりたいのだそうですが、使命感をもって生きている姿に子どもながらにあこがれてるんでしょう。
そんなふうに、なってくれると、業界のありようも随分とかわってくるんじゃないかと思います。だから、彼らがプロであるために、さらに高見を目指して精進してほしいと思うのです。
以前にも書いたように、スキー場は、中山間地域の極めて重要なインフラです。
しかし、スキー場が今後もそうであり続けられるかどうかは、そこに携わる人一人ひとりが、どう向き合うかにかかっていると思います。