
いまでこそ、ハチ北高原といえば、関西のウインターシーンでは、その名をしらない人はいないはずですが、もし、ハチ北がなければ、私が住むわがふるさとは、どんずまりの一地域でしかなかったと思います。
昭和40年代、ハチ北の先人達はまさに自分の人生をかけて、スキー場を開発し、宿やをしつらえ、多くの方をお迎えしてきました。
空前のスキーブームの到来を肌で感じていたのだと思います。
事実、その後昭和50年代後半から、60年代にかけて、それは訪れ、人でにぎわってきました。
しかし、ブームは去り、レジャーから文化へ昇華するか否かの移行期を迎えています。
今度は、私達が文化へ昇華する風を感じ、それに見合うだけの度量の大きさと、資質を備えなくてはいけません。
ハチ北を切り開いてきた先人たちはそのプライドで、いまを語ろうとしています。
かつて、まだ田畑を耕作し、冬は出稼ぎに行くことが当たり前だった時代…。先人たちは、親や親族を説得し、海のものとも山のものともいえない『スキー』の時代が来るんだと戦い抜いて、その繁栄を手にしたはずです。
軋轢や反対、さまざなま障害を乗り越えてきたはずです。
私達は、先人たちがかつてそうであったように、その先人たちを説得し、理解させ、新しい時代を切り開く責任があります。
先人たちも自分たちがいつまでもその最先端にいていいとは思っていないはずです。
信念をもって、本質を追求し、それを語り、説き伏せ、行動し、次の時代を担うその姿を望んでいるはずです。
時代はいつだって厳しい。
成功する保証なんてどこにもない。
でも、立ち止まっているだけでは、それは衰退するのと同じ。
私達は、先人たちに抗ってでも時代を切り開く責任があります。
先輩を超える努力が私達に求められています。