昨日の、日経新聞の『日曜に考える』は、とても示唆にとんだ話であったように思いました。
日本人で初のフェラーリのデザインをした奥山清行さんが、
『ものづくりが難しくなっているのは、消費者に欲しいものをきいても答えが出てこないため』
と語っておられました。
アップルのipadやiphoneなどが好例ですが、あのタッチパネルの技術そのものは以前からあり、技術的には新しいものではないと言われています。
当時、私たちユーザーがパソコンなどに求められていたのは、『より早く、より高スペックに』だったと思いますが、iphoneの登場は、ユーザーのインターフェイスをまったく覆してしまいました。
そしてまた、itunesなどの音楽はデータで取り込むというスタイルもいま主流となったように、こういうものがほしいというユーザーの考えを超越するものを提供したといえます。
フェラーリは、人を移動させるモビリティーととらえるとその価格は、異常としかいいようがありませんが、単なるモビリディーではない価値をそこに備えました。
どんなに不景気でもフェラーリが在庫処分に困ったということはないようです。
いま、私たちが行う『仕事』に求められているのは、そういうことではないかと思います。
世の中は週40時間という労働時間になりました。週に2日も休みがとれるという時代に即した働き方を突き詰めていくと、それは仕事そのものが想像力とビジョンを発揮するのが仕事だといえるのだと思います。
辺境の地に住まう我々もその例外ではなく、いやむしろこういう地域に住む我々だからこそ、イノベーティブな仕事が求められているのでしょう。
単に時間を使って生産するという考えから、頭を使い創造力を発揮して、新しい価値を生み出す仕事をし続けてないと、田舎で生きて行くということができない時代なのかな…。
奥山さんは、日本が生き残るためにというテーマのなかでのお話でしたが、これはまさに私たちが田舎で生き残るために必要なことなんだという封に置き換えることができるのではないかと思いました。