誤解を恐れずにいえば、建設業が、地域の主役になることなどぜったいにありえません。
地域の牽引する産業の主役は、やはり地域の特性を活かしたものであるべきです。
それは観光業かもしれませんし、農業かもしれません。
とにかく、建設業が主たる産業であるうちは本当の意味での、地域が盛り上がるようにはならないと思うのです。
そして、もし建設業が主役であるのなら、それは民需によるものでなくてはいけません。
官需で建設業で主役をとれるというのは、それは従来型の地域振興の有り様です。
箱を作ってもそこにいる人々の魂なければ、その箱はなんら意味をなさないのです。
どんなに立派な芝居小屋をつくってもそこで演じる人々が最高のパフォーマンスを見せてくれるエンターテイメントでない限り、そこには何ら価値をもたないものです。
そういうエンターテイメントあって、立派な客席をもつホールは、大きな輝きを放つのです。
これは、地域に存するものすべてにいえることでしょう。
どんなに道路が立派でも、そこに行き交う人びとに活力があってこその道路なんです。
本当は、そういう地域の主役たる人がいるのが理想です。
しかし、残念ながら、そういう地域の主役たる人々がいない場合は、建設業者がそれに成り代わることもまた必要ではないでしょうか。
リスクがあるかもしれません。そしてそのエネルギーを出すのは相当労力がいります。しかし、もはやそういう矢面にたたないとやっていけない現実が田舎にはあるような気がします。