『付加価値』という言葉に踊らされている気がします。
企業のイノベーションは、付加価値を生み出して、顧客に価値を産み出すことだと言われています。
でも、『付加』の言葉どおり、それは本来あるものの価値が、しっかりとしているという前提があっての付加なのであって、そのものの本来の機能や性能がしっかりとしていなくては、いくらたくさん付加されても、それは単なる飾りにしかすぎません。
しかし、そういう本来価値というのはとても大事なものであるにもかかわらず、お客様の目にはなかなか映らないものです。
携帯電話を例にあげれば、
フォルムデザインとか、アプリの数だとか、そういうもので判断しがちです。
そもそも通話がきちんとできてこそ、携帯電話の価値をなすのですが、それってなかなか素人にはわかりません。
あまり比較したことはありませんが、あるポイントに行くとA社の携帯電話は3本アンテナマークがたっているのに、B社は圏外ってことはあるかもしれません。
どちらが、『携帯電話』としての価値が優れているかは、明白ですよね。
本来価値を磨くことは、華やかでなく、とても地味なものです。
しかし、私たちものづくりやサービスを提供するものとして、そういう本来の価値にこそ、徹底して磨きをかけていかなくてはいけません。