少しイメージしてみたいのですが、和室の客間があったとします。
そこには、床の間があり、一輪挿しの花瓶があり、季節の花が挿してあります。
美しい光景ですよね。
何もおかれていない空間だからこそ、その一輪が際立って引き立つはずです。
以前、イタリアに行った時に宮殿の天井一杯に描かれた絵の回廊を見たことがあります。
そこはそこで美しい一つの空間でした。
空間という空間が職人や芸術家の腕によって、圧倒的な美しさを醸し出す。
2つを並べるとまったく対になるような情景です。
日本人が思う、単に一輪を愛でるだけでなくて、そこから広がるイメージをふくらませてそして美しいと感じる日本人の美的センスっていうのは、すばらしいなーと思います。
たとえば、俳句でもそうです。
17文字という本当に限られた字数を組み合わせ、そこから広がる無限のイメージを楽しむ。そういうことがイメージ出来る日本人はやっぱりすばらしい。