氷ノ山自然再生協議会という組織が、行政の後押しで4年前組織されました。氷ノ山周辺(養父、村岡、おじろ)の生態系を回復する目的で、我がハチ北では、大池の湿地の再生がそのミッションとなりました。
県からいただいたお金を使い、大池を周遊する遊歩道約300Mをつくりました。
2年前からその遊歩道を活用し、エコツアーをプログラム化しています。
エコツアーの事業は来年も継続する方向ですすめられようとしています。
昨年自然再生協議会は当初から3年と言われた期間を過ぎたため、解散することとなりました。自然を回復するというミッションが達成できていないままに…。
遊歩道を整備する費用が県からでたことでヨシとする考え方もありますが、どうも釈然としないものがあります。
私が、このプロジェクトに当時、ハチ北観光協会の理事長の代理としてこの会議に参加し、自分なりにのめりこんで実施をしてきました。
こういう自然再生には、必ずお金がかかります。天から降ってくればいいのですが、残念ながら、天からは降ってはきません。(県から3年は降ってきました)
やはりボランティアという概念では、限界がでてしまいます。
ましてや人的パワーなら、まだボランティア精神でなんとかなるところもありますが、備品や機材、材料など、やはりお金をかけなくてはできないこともあるのです。
だから、どこかから、自然の復元にお金を回すための仕掛けが必要となるのです。それがこの事業の場合、エコツアーであったわけです。
エコツアーを通じて、お客様に自然のすばらしさを感じていただき、宿泊費などで地元に落としていただく。私たちはそれを元手として、さらに、自然を再生する。その循環によって、自然の回復を目指し、地域もうるおいを得ていけば、この事業は永遠に続けることができます。
予算措置のなくなったこれからがほんとの勝負だと思います。
いま、生物多様性が言われていますが、直接多様性の維持のためにアプローチされている取り組みはまだまだ少ないはずです。
私たちが取り組むことは、ほんとうに自然の回復のための、小さな一歩でしかありません。しかし、このことに気づき、行動する中でまた新しい何かを産み出していきたい。
ぜひ一度みなさんにもこの大池の湿地に来てほしいと思います。