建設業というのは、たいへん多層構造になっていている業界です。
当社の場合に限らず、一つの建設物をつくるためには、大勢の人たちが関わっています。例えば住宅の場合は、基礎工事を行う人、大工さん、左官さん、塗装やさん、屋根やさん、タイルやさん、設備やさん、電気やさんなどなど…、モノの大きさ形によってもまた違いますが、まだまだ数え上げるときりがありません。
どの工務店さんも大なり小なり、一社独自で完成させていくのはまれで、多くの業者によって、構成されているわけです。
ですから、他社さんにも、同じ職人さんが関わっているということはよくある話です。
また、建設業には、いろいろな規格値というのがあって、それを保持しなくてはいわゆる建築基準法違反になってしまいます。
しかし、不思議なことに、できあがってくる建物は、その会社の個性が出てくるものですし、そうしなくてはいけません。
西村工務店らしさ、西村工務店ならでは、西村昌樹らしさ、西村昌樹ならでは…
同じ職人さんが関わっていても、工務店が違えば、らしさが変化するというのは、工業製品のように、機械がつくりあげていくようなものであれば、ほとんどそれはないと思いますが、それがなぜそうなるのかは、お客様と私たちとの関係性、そして私たちと協力業者のみなさんとの関係性という「人×人」のかかわりがその変化をもたらしていくのだと思います。
家づくりが、なかなか工業化されない一つの理由は、一品生産であり、また現地生産であるため、工場の設備をそこに移動させることが不可能だからです。
だから、いくら大手メーカーが台頭しようとも、寡占状態にならないのは、そのためです。
お客様、私たち、協力業者の三者の気持ちを一つにしていくこと、それが私たちがもっともなすべきことなのではないかと思います。