金美齢氏の講演があった。
講演の内容は、メディアで登場したときのように、歯に衣を着せぬズバッと本音をいうような、いまの政治に対しての激を飛ばす内容だった。
講演の内容ももちろん、とても印象に残るすばらしい講演だったのだが、なぜあの人がメディアでも長年、登用されるのか自分なりに分析してみた。
一つは、講演の中では非常に辛口の厳しい意見を述べられる方であったけれども、登壇して講演を開始するまで、そして講演が終わったあと会場を引き上げるまで、そのときは、本当に人懐こそうな柔らかな笑顔だったことだ。そのギャップというか、政治に対してはあくまで、厳しい人柄であっても、人間金美齢はとても人をひきつける魅力があるということ。
もう一つは登壇したとき、バックに日本国旗が掲げられていたが、深々とおじぎをしていた。もちろん金氏の講演は、相当日本びいきというか国家に対する尊敬の念を感じさせるものであるけれど、それとあのおじぎはぴたりとはまり、またその所作が人間金美齢の魅力を引き立てている気がした。
そして、最後にやはりだからこそ政治評論家の地位を築いているのだけれど、論に筋が通っていて、そして、一貫していることだ。
本人が言っていたことだけれど、日本人が心の中に持っている本来のあるべき姿を私はただ代弁者として、メディアでしゃべっているだけだと…。
日本人が、気はずかしくていえない、あるいは、人と人との関係において、言うことをためらうようなそんな思いをももと台湾人という立場だからこそ、ずばっといえる、それに多くの人は、腑に落ちる感覚になるのではないか、だから、みんながその言葉に期待を寄せているからではないのかなーとそんなふうに思った。