最近、ビジョン経営とか組織のパーパスとかそんな言葉を耳にするようになった。
どんな物やサービスを取り扱っているということももちろん大事だが、組織がなぜそのビジョンでもっているのかということがよく問われるようになった。
私が思うに、それ以上に大事なことはそのビジョンはどんなプロセスを得て作られるようになったかということだ。
ビジョンは『その会社を表すのに一言で言えば』という形でシンプルにまとめられていることが多い。
先日、群馬県前橋市のビジョンについて紹介している番組を拝聴していた。
前橋市では『めぶく』というのがビジョンである。
ビジョン= めぶく…?
私が聞いてもなんとなく首をかしげたくなる。
しかし、その策定に関わった人はそのめぶくという言葉にたどり着くまで、喧々諤々いろいろ 議論をしてきている。
だから関わった人たちは、この言葉一つで、そこにどんな意味があり、その言葉の背景にあるものをリアリティを持って頭の中に思い描くことができる。
前橋市が何を大事にし、これからどう歩んでいくのか の全体像 あるいは中身がしっかりと伝わっているということになる。
そのプロセスに至るまでに人々は何を思い、自分が何が大事で、また人が大事に思うことに対立もあったはずだ。
そういうものをバシバシと戦わせながら 一つの結論に導いたこと …そのことに最も価値があると思うのだ。
人が一人以外で何かを成し遂げろうとするなら、そういうすり合わせは欠かせない。
特に昨今、トップダウンの組織ではなく、ある意味フラットな組織が求められている。
トップダウン型組織だと下々はある意味何も考えなくても、上から下ろされたことを忠実にやれば事足りた。
しかし、フラットな組織においては、上からの指示ではなく、自らが考え行動する場面が幾度となく遭遇する。
だから、行動のよりどころとなるビジョンをしっかり理解しておくためにも、そのプロセスを経ておくということが重要になるのだ。