
そこのご子息はとても優秀な方で、某有名国公立を出ている。
以前は、とある政府組織に勤められていたそうなのだが、今は民間企業でM&Aに従事されているのだという。
その民間企業も、超がつく有名企業であり、M&A案件で日本中を飛び回っているそうだ。
僕のような大した学のないものより、頭がキレキレの彼らのような存在こそ、この地域に根をおろし、社会を変革してほしい…
そんな思いがあるのだが、どうやら、父上の話っぷりからすると、まったくそんな気配はまったくないようである。
父上曰くは、東京が好きだとかきらいとかではなく、そこの企業に勤め、そういうダイナミックな仕事ができることにやりがいを感じているのだそうだ。
確かに。
どんな仕事に出会って、自分というものが社会に貢献できるのかというのはまっこと重要だと私も思う。
この村岡の地で、日本中を飛び回ったり、世界中を駆け抜けたりということができないとは決して思わないが、一般的に言えば、確かにそういう仕事のチャンスは東京にはありそうだ。
だが、こうも思う。
今、日本でもっとも大きな課題は少子化である。
都会にも存在はするが、まだしばらくの間は、都会ではその問題はたいして顕在化はしていない。
しかし、この田舎にあっては、その社会問題は、私たちが日々生きていくことにリアリティをもって感じる。
だから、この田舎で生き、その問題が克服できたとするなら、日本中飛び回る仕事よりも、もっとダイナミックな仕事なのではないか
であるなら、もっとも優秀な人こそ、この課題にチャレンジする価値があるのではないか…
とも思う。
日本を見渡せば、課題先進地である過疎地域でイノベーションを起こしまくっている人がたくさんいる。
それらの地域は、もちろん地域の特性、山、川、海といった自然環境の違いなどもあるけれど、資源としては決して、特別なものをもっているわけではない。
しかし、そこに志ある人が集い、イノベーションをおこすと、それに触発して、また優秀な人たちが集まりといった循環を生み出している。
優秀な人たち=頭がよい、ということでもあるけれど、課題に真摯に向き合い、決してあきらめず、成功するまでやり続ける…そういう人が真の優秀な人たちだ。
ふるさとに縁があって、とてもクレバーな人はけっこうたくさんいる。
そんな人たちが東京よりもどこよりもここが面白くエキサイティングなのだ…
そう思ってもらえるよう、ここにいるものが仕掛けまくっていくしかない。
課題先進地のココ。
ココはイノベーションを起こせる最先端の場所でもある。