今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
好きなチェリスト、水野優也のデビュー盤が発売された(Apple Music/CD)。
曲目は、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタ、ショパンの序奏と華麗なるポロネーズ、ショパンのチェロ・ソナタである。
詳細は以下の通り。
チェリスト・水野優也CDデビュー! 反田恭平と紡ぐ東欧の旋律
新進気鋭のチェリスト・水野優也が満を持してCDデビュー!
水野が留学生活を過ごしたハンガリーの作曲家・コダーイの、超絶技巧が散りばめられた大作『無伴奏チェロ・ソナタ』。そして水野が高校生時代から愛してやまない、ショパンの『チェロ・ソナタ』。チェリストのデビュー盤にはとても珍しい選曲で、ソロ、デュオの魅力が存分にお楽しみいただける1枚になっています。
共演ピアニストには、第18回ショパン国際ピアノコンクール第2位の反田恭平。反田にとってもショパンの室内楽曲は初のリリースとなります。(販売元情報)
【収録情報】
1. コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
2. ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ Op.3
3. ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65
水野優也(チェロ)
反田恭平(ピアノ:2,3)
録音方式:ステレオ(デジタル)
以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
最初の曲は、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタ。
この曲で私の好きな録音は
●シュタルケル(Vc) 1948年セッション盤(Apple Music/CD/YouTube1/2/3)
●シュタルケル(Vc) 1950年セッション盤(NML/Apple Music/YouTube1/2/3)
●シュタルケル(Vc) 1957年10月4日セッション盤(CD/YouTube)
●シュタルケル(Vc) 1970年12月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube1/2/3)
あたりである。
ショスタコーヴィチがロストロポーヴィチの独壇場であるのと同様(その記事はこちら)、コダーイはシュタルケルの独壇場である。
今回の水野優也は、さすがにシュタルケルの厚みはないけれども、ケラスなど他の巨匠たちには十分比肩しうる演奏に仕上がっている。
次の曲は、ショパンの序奏と華麗なるポロネーズ、ショパンのチェロ・ソナタ。
これらの曲で私の好きな録音は
●ロストロポーヴィチ(Vc) アルゲリッチ(Pf) 1980年3月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube1/2/3/4/ポロネーズ)
あたりである。
また、ソナタのほうは、桑田歩&古海行子の実演が忘れがたい(その記事はこちら)。
ロストロポーヴィチ&アルゲリッチ、このあまりにも豪華な夢の競演を前にすると、どんな演奏もたちまちに霞んでしまう。
ただ、この名盤はやや風格がありすぎるというか、巨匠的すぎるきらいもあり、ショパンはもう少し繊細であってもいいかもしれない。
とはいえ、イッサーリスもウィスペルウェイもケラスも、このソナタの新時代の演奏を打ち立てることはできなかった。
彼らは、ショパンのスラヴ風の憂愁を表現するには、あっさりしすぎている。
今回の水野優也&反田恭平の演奏は、それがしっかり表現できているように思う。
ロストロポーヴィチ&アルゲリッチ盤よりも好きかと言われると、この両巨匠の生み出すダイナミックな感動にはやはりどうしても抗いがたいのだけれど、それでも水野優也&反田恭平の丁寧なロマン性は、このソナタの新時代の演奏として筆頭に挙げるべきものだろう。
彼ら2人の共演盤の第一段として、この名曲を選んでくれたことを喜びたい。
コダーイ/無伴奏チェロ・ソナタ&ショパン/チェロ・ソナタ - 水野優也 · 反田恭平 - YouTube
※YouTubeのページに飛ぶと全曲聴けます。飛ばない場合は以下のURLへ。
https://www.youtube.com/watch?v=DG0fKO3OCQw&list=OLAK5uy_kZRQ3RRcHX17VBJBauLpqFSUkxCsRBR5M
なお、水野優也&反田恭平には、サン=サーンスの「白鳥」の美しい演奏もある(演奏動画はこちらから)。
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