イタリアのボルツァーノで開催されている、2023年ブゾーニ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
8月29日は、室内楽ファイナルの第1日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、2023年ブゾーニ国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。
(2022/2023年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選通過者一覧)
以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイ/Passadoriである。
また、以下の室内楽はイシドア四重奏団との共演である。
22. Anthony RATINOV (birth: 1997, South Bend)
S. Rachmaninov: from Études Tableaux, op. 39: n. 9
F. Chopin: Sonata n. 3, op. 58
これは残念ながら聴き逃してしまった。
室内楽ファイナル以降はアーカイブ配信はないようで、計3回の配信を逃すともう聴けなさそう。
→ と思いきや、アーカイブがアップロードされていました、失礼しました。
ショパンでもソナタはソナタ、感情を込めすぎず古典的に、といったスタンスの演奏。
同じスタンスのグレン・グールドの演奏はエキセントリックだが、彼の場合は自然で朗らか、技術的にも無理なく弾けている。
27. Zitong WANG (birth: 1999, Honhot)
A. Dvořak: Piano Quintet n. 2, op. 81
彼女の個性のよく出た、ロマン的な演奏。
物理的な音の大きさとしては小さいほうだが、音楽表現によって存在感を出すことができている。
22. Anthony RATINOV (birth: 1997, South Bend)
C. Franck: Piano Quintet in F minor
彼の軽めのタッチ、自然な歌わせ方は、室内楽向き。
激しい自己主張はせず、弦楽を立てながらも、自身の味わいもやんわりと出せており、常設アンサンブルのような良さがある。
27. Zitong WANG (birth: 1999, Honhot)
F. Liszt: Sonata in h-Moll, S. 178
悪くない演奏ではあるのだが、迫力面の不足は否めない。
ソロファイナルでのヤナーチェクやモーツァルトの名演に比べると、彼女の持ち味を発揮しやすい選曲とは言い難いか。
そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がグランドファイナルに進んでほしいと思うのは
22. Anthony RATINOV (birth: 1997, South Bend)
27. Zitong WANG (birth: 1999, Honhot)
あたりである。
Zitong WANG、グランドファイナルでの演奏もぜひ聴きたいのだが、今度こそ厳しいかもしれない。
次回(8月30日)は室内楽ファイナルの第2日。
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