今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。
好きなピアニスト、正田彩音が最近ブログを始めたことを、ツイッターでフォローさせていただいている方の情報で知った。
彼女のブログ記事には色々な話題が取り上げられており、コンクールでのエピソードなども大変興味深いが、彼女がこのブログで特に目指しているのが、彼女がこれまで研究してきたロシア奏法を、分かりやすく伝えることのようである。
彼女のロシア奏法に関するブログ記事はこちら。
ロシアン奏法とは① 動画比較 | ピアニスト正田彩音の“海外コンペ武者修行の旅” (ameblo.jp)
→ ロシア奏法の奥義を解説し、また彼女自身の奏法の変化をビフォーアフターで比較。
奏法について② イメージ改革 | ピアニスト正田彩音の“海外コンペ武者修行の旅” (ameblo.jp)
→ ロシア奏法のイメージを感覚的に解説。
奏法動画、作りました(^^) | ピアニスト正田彩音の“海外コンペ武者修行の旅” (ameblo.jp)
→ ロシア奏法とそうでない奏法を弾き比べた動画。
ロシア奏法の解説は最近あちこちで見かけるけれど、彼女の記事はとりわけ親しみやすく分かりやすい文章で、これを読むと自分でもできそうな気がしてくる(実際にはとても難しいのだろうが)。
しかも、彼女自身は一度もロシアに行ったことがないという(トランジットを除き)。
ロシアに行かなくてもロシア奏法を会得できるというのは、それを目指す人にとっては朗報だろう。
ロシア奏法かどうかという厳密な判断は私にはできないのだが、いわゆる「ロシアの音」は私の耳にも分かり、ラフマニノフやリヒテルのあの力強く深々とした独特の美音は、古い録音で聴いても強い印象を残す。
この機に、私が生で聴いた「ロシアの音」の思い出を書きたい。
「ロシアの音」で強く印象に残っているのは2人。
1人目は、2018年春に聴いたドミトリー・マイボローダ(その記事はこちら)。
これはもう格別の演奏で、このときの実際の録音も残されているのだが(https://youtu.be/6oCnlSOR5yI)、残念ながら音質が良くないため、代わりに別の動画を。
チャイコフスキー作曲「五月」(38:22~)など、「ロシアの音」の美しさがよく分かる。
2人目は、2018年秋に聴いたニコライ・ルガンスキー(その記事はこちら)。
クライマックスで専らピアノがオーケストラに埋もれてしまうラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、ピアノが大オーケストラに負けない存在感を示したのは、私の経験した限りこれが最初で最後だった。
今後も、この曲でこれを超える実演を聴くことはないだろう。
このときの録音はないが、代わりにロック・ダンテロンでの動画を。
力強くも力みのない、雄渾で壮大な「ロシアの音」が聴ける。
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