今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。
好きなピアニスト、反田恭平の新しい演奏動画がアップされた。
動画はこちら。
2020年12月19日(土) イイノホール (東京)
反田恭平(ピアノ)、外村理紗(ヴァイオリン)、水野優也(チェロ)
ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 作品8 (改訂稿)
第1楽章 (03:28-)
第2楽章 (14:53-)
第3楽章 (21:41-)
第4楽章 (29:43-)
先日の記事に書いた桑原志織(その記事はこちら)、小林愛実(その記事はこちら)、小林海都(その記事はこちら)の演奏動画と同じく、下記リブログ元の記事に書いていた「リクルートスカラシップコンサート」という若手演奏家たちによるコンサートの録画映像である。
ブラームスのピアノ三重奏曲第1番の改訂稿で私の好きな録音は
●カリクシュタイン(Pf) ラレード(Vn) ロビンソン(Vc) 1985年セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube1/2/3/4)
●松本和将(Pf) 上里はな子(Vn) 向井航(Vc) 2013年5月12日倉敷ライヴ(動画1/2/3/4)
あたりである(余談だが、初稿ではジェレミー・デンク、ジョシュア・ベル、スティーヴン・イッサーリスによる盤が好き)。
また、松本和将らの演奏は実演で聴く機会にも恵まれ、圧倒された(その記事はこちら)。
どっしりと重厚、いかにもブラームスらしい上の2盤と比べると、今回の反田恭平らの演奏はもう少し軽くて風通しが良い。
第1楽章の展開部終盤など、ピアノと弦2人が交互にせめぎ合う圧倒的なクライマックスを期待するとはぐらかされるけれど、直接的な情熱から少し距離を置いた、遅めのテンポを崩さない彼らのやり方は、これはこれでブラームスにふさわしい。
その後、落ち着いたロマンをたっぷり聴かせたのち(第3楽章再現部でのピアノのオブリガートの煌めくような美しさなどまるでショパンのよう)、終楽章ではじわじわ盛り上げ最後かなりの迫力を見せる。
そのために、クライマックスをここまで取っておいたのかもしれない。
演奏全体のこうした印象は、反田恭平のピアノによるところが大きい。
若いのにさすがの貫禄である。
もちろん弦2人も素晴らしく、特にシューマンのとき同様(その記事はこちら)水野優也のチェロが品のある美しさで、上記のイッサーリスにも匹敵するように思う。
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