中川真耶加 名古屋公演 ブラームス 6つの小品op.118 ショパン 舟歌 バラード第4番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

中川真耶加オンラインピアノコンサート

※無観客公演、ライブストリーミング配信

 

【日時】

2020年8月30日(日) 開演 19:00

 

【会場】

ナゴヤピアノコンサートサロン(名古屋ピアノ調律センター3階)

 

【演奏】

ピアノ:中川真耶加

 

【プログラム】

ショパン:舟歌 Op.60

ブラームス:6つの小品 Op.118

ショパン:ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2

ショパン:即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 Op.52

 

※アンコール

ショパン:マズルカ 第21番 嬰ハ短調 Op.30-4

 

 

 

 

 

下記のリブログ元の記事に書いていた、中川真耶加のオンラインコンサートを聴いた(動画はこちら)。

ネット配信の音質は最上とは言えないが、それでもこのような催しは大変ありがたい。

 

 

ショパンの舟歌、ノクターンop.27-2、即興曲第3番、バラード第4番、そしてアンコールのマズルカop.30-4、これらはいずれも彼女の大の得意曲であり、これまでにもその素晴らしさについて散々書いてきたが(その記事はこちらなど)、今回も同様の見事さであった。

ただ、バラード第4番だけは終盤がやや抑制的で、2015年ショパンコンクールライヴ動画や、2017年に私が奇しくも今回と同じ会場で聴いた実演(その記事はこちら)のような、腹にこたえる凄まじい和音や嵐のように激烈なコーダは今回聴かれなかった。

以前別の記事に書いたリハーサル動画(その記事はこちら)に似たおとなしめのアプローチであり、もしかしたら無観客公演のため燃焼しきれなかったのかもしれない。

とはいっても十分に美しく音楽的な演奏であった。

 

 

そして、ショパンの曲の間に演奏されたブラームスのop.118、この曲を彼女の演奏で聴くのは初めてだが、これまた良かった。

濃厚なドイツ後期ロマン派風の演奏でもなければ、晩年らしい枯れた演奏でもなく、古典的なフォームを崩さずにロマン的情感をほんのり滲ませる、彼女らしい初期ロマン派風、ショパン風の演奏スタイル。

その意味ではこの曲のスタンダードな演奏ではないかもしれないが、こういうショパン風の爽やかなブラームスも悪くない。

彼女のブラームスを聴きながら私は、「ニュー・ミュージコロジー」という本のリチャード・タラスキンの書いた章を思い出した。

彼は、ブラームスのop.118-5の中間部とショパンの「子守歌」との類似を指摘した文献を引き合いに出し、ブラームスがショパンから想像以上に大きな影響を受けたことを暴いてみせたのだった。

 

 

なお、終演後にはインタビューがあった。

卓越したテクニックを持つ彼女だが、手を広げて届くのは8度まで、無理して広げたらぎりぎり9度。

小学生の頃は練習するかしないかくらいのもので、しっかり練習しだしたのは高校生から、またハノン等による基礎練習も今はしていない。

音楽を聴くときはクラシックが多く、ピアノよりもオーケストラやカルテットやオペラを聴くことが多い(その他、K-POPやディズニー音楽やミュージカルを聴くこともある)。

ネコが大好きで、胴長短足でぶちゃっとした顔のミヌエットという種類のネコが特に好き。

留学先のイタリアは彼女の気質に合うようだが、それでもリンゴしか喉を通らない時期もあって、そういうときは先生が「肉を食べなさい、今日はちゃんと食べましたね、良い音が出ている」などと言ってくれた。

コロナ禍で日本に一時帰国していたが、今週からまたイタリアに戻る予定で、今年の目標は最近買ったランニングシューズでたくさん走ること、将来の夢は色々なところに行ってピアノを演奏すること。

以上のような話が聞けた。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 

 

 


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