2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール(ピアノ部門) セミファイナル 第1日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

スイスで開催されている、2018年ジュネーヴ国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

11月4日は、セミファイナルの第1日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、2018年ジュネーヴコンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。

 

2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者一覧

2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール(ピアノ部門) 曲目発表

1次予選 第1日

1次予選 第2日

1次予選 第3日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

 

 

なお、以下の曲目のうち室内楽は、スイス・ロマンド管弦楽団の管楽奏者たちとの共演である。

 

 

Mr. Konstantin EMELIANOV (24 y.o., Russian Federation) (動画

 

W. A. Mozart: Quintet for piano and wind instruments, KV 452

P. Tchaikovsky – S. Feinberg: Allegro molto vivace from the symphony N° 6

S. Barber: Piano Sonata, Op. 26

 

モーツァルト、タッチの粒がそろっておらず、ぎこちない。

チャイコフスキー、難しい曲なので仕方ない面もあるけれど、ミスタッチが多く、速いテンポではないのだが苦しそう。

バーバー、これはまだ良いが、それでも洗練されているというよりは、どちらかというと力任せの印象。

 

 

Mr. Hannu ALASAARELA (24 y.o., Finland) (動画

 

W. A. Mozart: Quintet for piano and wind instruments, KV 452

E.-P. Salonen: Organisme from Dichotomie (2000)

F. Chopin: Piano Sonata N° 3 in B minor, Op. 58

 

モーツァルト、先ほどの人よりはややなめらかだが、それでもアラは少なくない。

サロネン、聴き覚えのない曲なので何とも言えないが、まずまずか。

ショパン、かなりクセが強く、恣意的なルバートが方々に入る。

熟考の上でのルバートというよりは、流し弾きといった印象を受ける。

テクニック的にも弱さが目立つ(特に第2楽章)。

 

 

Mr. Sung Ho YOO (22 y.o., South Korea) (動画

 

W. A. Mozart: Quintet for piano and wind instruments, KV 452

R. Schumann: Romance, Op. 28/2

S. Prokofiev: Sonata N° 6, Op. 82

 

モーツァルト、もっと歌ってほしいけれど、それでも技巧的に安定しており、安心して聴ける。

シューマン、ロマン的な味わいに欠けていない。

プロコフィエフ、やはり技巧的に優れており、なかなかの完成度。

少し健康的すぎるきらいはあり、もう少し陰影のようなものがあるといいけれど、まぁこの曲はこれでも割とサマになる。

 

 

Mr. San JITTAKARN (26 y.o., Thailand) (動画

 

W. A. Mozart: Quintet for piano and wind instruments, KV 452

A. Schoenberg: Sechs kleine Klavierstücke, Op. 19

F. Chopin: Impromptu N° 3, Op. 51

S. Rachmaninoff: Piano Sonata N° 2, Op. 36 (1913)

 

モーツァルト、独特の歌心があるが、ところどころミスがあったり、タッチにムラがあったりして、細部の完成度は高いとは言えない。

シェーンベルク、これは判断しづらい曲だが、まずまずか。

ショパン、歌心はあるけれどルバートにクセがあり、それがうまいというよりはやや恣意的に聴こえる(流し弾きではないけれど)。

ラフマニノフ、これも随所でキレを見せるものの、逆にこんなところでという箇所でぼてっとしていることがあり、全体的な出来はそこそこか。

 

 

そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Mr. Sung Ho YOO (22 y.o., South Korea)

 

あたりである。

次点で、

 

Mr. San JITTAKARN (26 y.o., Thailand)

 

あたりか。

正直なところ、今回の4人を聴く限りでは、(Sung Ho YOOを除いて)代わりにTiffany POONや日本勢の誰かが残っても良かったのではないか、と思ってしまう。

2次予選のネット配信はなかったので、何とも言えないのだけれど…。

 

 

そして、本日はセミファイナルの第2日(最終日)。

Dmitry SHISHKINもいるし、名演を期待したい。

 

 


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