(2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール(ピアノ部門) 曲目発表) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

本年10~11月にスイスで開催される、2018年ジュネーヴ国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

ちなみに、2018年ジュネーヴコンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。

 

2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者一覧

 

 

今回、予備審査を通過した47名(もともと48名だったが1名減った)のコンテスタントたちの、1次予選以降の演奏曲目が発表された。

 

公式サイトの出場者一覧&演奏曲目のページはこちら

 

まず、課題曲については、以下の通り。

 

 

 

 

 

全ての曲は、必須曲と現代曲(リサイタルⅡ)を除き、心を込めて演奏されねばならない(室内楽を含む)。

出場者は、各ラウンド中のプログラムの順序を選択できる。

 

A. ビデオによる予備審査

・J.S.バッハ:以下から1曲を選択

  - 平均律 BWV846 - BWV893

  - パルティータ(3楽章以上) BWV825 - BWV831

  - トッカータ BWV910 - BWV916

  - イギリス組曲(3楽章以上) BWV806 - BWV811

  - フランス組曲(3楽章以上) BWV812 - BWV817

 

・F.ショパンまたはF.リスト:以下から1曲を選択

  - ショパン:エチュード Op.10 または Op.25

  - リスト:超絶技巧練習曲 S.139 または パガニーニ第練習曲 S.141

 

・3曲目は自由曲(ソロ曲)

ビデオ審査の曲は、以下の審査で再度演奏可

 

 

B. リサイタルI (最大50名 - 最大30分)

・以下の作曲家のうち一人を選んで1曲

  - J.ブラームス

  - F.ショパン

  - F.シューベルト

  - R.シューマン

 

・以下の古典作品から1曲を選択

  - W.A.モーツァルト:ロンド ニ長調 KV 485 (5 ')

  - J.ハイドン:変奏曲 ヘ短調 Hob XVII/6 (16 ')

  - L.v.ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO 57 (8 ')

 

・スイスの作曲家による必須曲

  - Victor Cordero:Spiegeltoccata (最大10 ')

 

 

C. リサイタルII (最大16名 - 最大45分)

・ベートーヴェンのピアノ・ソナタより1曲を自由に選択

 

・クロード・ドビュッシーの1曲または複数曲を自由に選択(約10分)

 

・1950年以降に作曲された曲(以下のリストから1曲を選択)

 

Luciano Berio Sequenza IV (12 ')

William Blank Lightnings (8 ')

Pierre Boulez 12 Notations (11 ')

Pierre Boulez 1ère Sonate (12 ')

Elliot Carter Caténaires (4 ')

Unsuk Chin 3 Études à choix (env. 15 ')

Henri Dutilleux 3 Préludes (12 ')

Beat Furrer Voicelessness. The Snow Has No Voice (10 ')

Stefano Gervasoni Studio di disabitudine (14 ')

György Kurtag 8 Klavierstücke Op. 3 (7 ')

Michael Levinas Trois Etudes (10 ')

György Ligeti 3 Etudes à choix (env. 12 ')

Olivier Messiaen Petites esquisses d'oiseaux (14 ')

Rebecca Saunders Shadow (11 ')

Salvatore Sciarrino une Sonate pour piano (10 ')

Karlheinz Stockhausen Klavierstück IX (11 ')

Stefan Wirth Faims II (5 ')

Yannis Xenakis Evryali (10 ')

 

 

D. セミファイナル (最大8名 - 最大60分)

プログラムは二部に分かれており、順序は出場者が自由に選択可

 

・W.A.モーツァルトの五重奏曲 KV 452 (ピアノ、オーボエ、クラリネット、ホーン、バスーン)(25分)

 

・残りのプログラムは自由に選択可。他のラウンドで既に演奏した曲は選択不可(予備審査での演奏曲は重複可)。独創性、レパートリーの選択、多様性も審査対象となる。

 

 

E. ファイナル (ファイナリスト3名)

・以下の協奏曲から1曲を選択

  - L.v.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37

  - L.v.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58

  - L.v.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73

  - B.バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 Sz 119

  - J.ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15

  - J.ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83

  - F.ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調

  - F.ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調

  - F.リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調

  - F.リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調

  - S.プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16

  - S.プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26

  - M.ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

  - C.サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22

  - C.サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番 ハ短調 Op.44

  - R.シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54

 

管弦楽:スイス・ロマンド管弦楽団(指揮:Peter Oundjian)

 

 

 

 

 

課題曲については以上である。

自由化傾向にある最近の国際コンクールからすると、かなり細かく曲が指定されている。

古典派の小品、ベートーヴェンのソナタ、ロマン派の曲、ドビュッシーの曲、そして現代曲と、幅広い時代および国の作品を演奏する能力が求められている(ある意味スイスらしい?)。

自由曲でも、レパートリーの多様性が審査対象になる旨が明記されている。

なお、「現代曲以外は心を込めて弾くように」という指示書きが面白い。

こんなことをわざわざ書くなんて、珍しい気がする。

現代曲は心を込めなくていいらしい(笑)。

 

 

そして、応援しているピアニスト、ティファニー・プーンの演奏曲目は、以下の通り。

 

MS. TIFFANY POON

 

RECITAL 1

— V. Cordero: Spiegeltoccata

— R. Schumann: Papillons, Op. 2

— W. A. Mozart: Rondo in D, KV 485

 

RECITAL 2

— L. v. Beethoven: Sonata N° 11 in B-flat major, Op. 22

— C. Debussy: Estampes

— E. Carter: Caténaires

 

SEMI-FINAL

— W. A. Mozart: Quintet for piano and wind instruments, KV 452

— A. Scarlatti: Piano Sonata in C major, K. 159

— A. Scarlatti: Sonata, D minor, K. 9

— A. Scarlatti: Sonata in F. minor, K. 466

— F. Chopin: Barcarolle, Op. 60

— F. Liszt: Hungarian Rhapsody N° 12

 

FINAL

— F. Chopin: Concerto N° 1, Op. 11

 

やはり、コンクールからの指示通り、多様性のある曲目となっている。

彼女が得意とするショパンが、たったの2曲。

大丈夫だろうかと少し不安になるが、バラエティに富んだプログラムは聴き手からすると楽しみでもある。

勝ち進んでくれるといいのだが。

 

 

他に、Eddie Myunghyun KIMの弾くベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタやドビュッシーのオンディーヌ、Qi KONGの弾くドビュッシーのトッカータやチン・ウンスクのエチュードやストラヴィンスキーのペトルーシュカ、Arisa ONODAの弾くドビュッシーの「ピアノのために」、Aya SAKAMOTOの弾くブラームスの「主題と変奏」Op.18bあたりも興味深い。

なお、Selim MAZARIの名前はなくなってしまっており、注目していたピアニストの一人だったので残念。

現時点での出場者47名を以下にまとめておく。

 

Ms Lucia Mihyun AHN (27 y.o., South Korea)

Mr. Hannu ALASAARELA (24 y.o., Finland)

Mr. Maxime ALBERTI (27 y.o., France)

Mr. Minjae BACK (18 y.o., South Korea)

Ms Hannah BYUN (24 y.o., Canada)

Mr. Florian CAROUBI (28 y.o., France)

Mr. Pierre CAVION (27 y.o., France)

Mr. Minhyun CHO (27 y.o., South Korea)

Mr. Konstantin EMELIANOV (24 y.o., Russian Federation)

Mr. Théo FOUCHENNERET (24 y.o., France)

Ms Risako FUKAGAI (26 y.o., Japan)

Mr. Kyuho HAN (25 y.o., South Korea)

Ms Wei-Ting HSIEH (22 y.o., Taiwan)

Mr. Gunwoo HWANG (21 y.o., South Korea)

Mr. San JITTAKARN (26 y.o., Thailand)

Mr. Dongkyu KIM (24 y.o., South Korea)

Mr. Eddie Myunghyun KIM (29 y.o., South Korea)

Mr. Jaeyoung KIM (24 y.o., South Korea)

Mr. Jongyun KIM (28 y.o., South Korea)

Mr. Sung-Jae KIM (28 y.o., South Korea)

Mr. Qi KONG (24 y.o., China)

Mr. Seunghyun LEE (24 y.o., South Korea)

Mr. Jin-Hyeon LEE (27 y.o., South Korea)

Mr. Daumants LIEPINS (23 y.o., Latvia)

Ms Yun LU (22 y.o., Taiwan)

Ms Ke MA (24 y.o., China)

Mr. Florian MITREA (29 y.o., United Kingdom)

Mr. Ken NAKASAKO (25 y.o., Japan)

Mr. Yu NITAHARA (28 y.o., Japan)

Mr. Yeontaek OH (25 y.o., South Korea)

Ms Arisa ONODA (22 y.o., Japan)

Ms Hyo-Eun PARK (23 y.o., South Korea)

Mr. Kyoungsun PARK (26 y.o., South Korea)

Ms Tiffany POON (21 y.o., Hong Kong)

Mr. Antoine PREAT (21 y.o., France)

Mr. Ido RAMOT (24 y.o., Israel)

Ms Aya SAKAMOTO (29 y.o., Japan)

Mr. Cristian SANDRIN (25 y.o., Romania)

Mr. Sohgo SAWADA (19 y.o., Japan)

Mr. Aristo SHAM (22 y.o., Hong Kong)

Mr. Dmitry SHISHKIN (26 y.o., Russian Federation)

Mr. Ryoma TAKAGI (25 y.o., Japan)

Mr. Tsubasa TATSUNO (27 y.o., Japan)

Mr. Axel TROLESE (21 y.o., Italy)

Mr. Sung Ho YOO (22 y.o., South Korea)

Mr. Jeong Hyun YOON (23 y.o., South Korea)

Ms Anna ZAYCHENKO (26 y.o., Russian Federation)

 

 


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