今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
先日も書いた、現在スイスで開催中のヴェルビエ音楽祭(その記事はこちら)。
medici tvのサイトには、上記の記事に書いたガラ・コンサート以外にも多くのコンサートの動画がアップされている。
たくさんあってなかなか観きれないが、中でも印象的だったものの一つに、クリストフ・バラーティのヴァイオリン、リュカ・ドゥバルグのピアノによるリサイタルの動画がある。
曲目は、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番、そしてフランクのヴァイオリン・ソナタ。
バラーティのヴァイオリンは、私の好みとは少し違っているところがあるけれど、ドゥバルグのピアノは大変素晴らしい。
ドゥバルグは、室内楽向きのピアニストのような気がする。
彼の演奏動画はソロ・リサイタルのものもアップされているけれど、そちらはちょっとクセがあって、そのクセが大きな説得力を持つかというと、そこまでの飛びぬけた個性や完成度までは感じられず、やや中途半端な印象がないではない。
しかし、バラーティとのデュオのほうでは、文句なく素晴らしい。
室内楽だと、彼のクセもちょうどいい形に収まっているように思われる。
特に、フランクのヴァイオリン・ソナタ。
この曲は、以前彼の生演奏を聴いたけれど(そのときの記事はこちら)、そのときも実に良かった(むしろこの動画以上に個性的な演奏だった)。
一音一音の響きの美しさにこだわった、ゆっくりとかみしめるような演奏。
かなり「濃い」表現であり、もっと淡白にさらっと弾いてくれるほうが本来私は好きなのだが、それでもこの美しさには抗しがたい。
ぜひ一聴されたい。
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