アメリカのフォートワースで開催されている、第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
6月7日は、ファイナルの第1日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、これまでの記事はこちら。
Kenneth Broberg (United States | Age 23)
DVOŘÁK Piano Quintet in A Major, op. 81
自然な抒情性が持ち味の彼らしく、味わい深い演奏。
ソロでは他のコンテスタントに比べテクニック面での弱点がやや目立っていたが(テクがないというわけでは決してなく、十分うまいのだが、他の人たちがうますぎる)、室内楽ではほとんど気にならない。
Yury Favorin (Russia | Age 30)
FRANCK Piano Quintet in F Minor
こちらも味わいのある演奏。
セミファイナルでのショスタコーヴィチのソナタ第1番で聴かれたキレ味もさすがだったが、決してそれだけが彼の持ち味というわけではないことを示す好演。
Yekwon Sunwoo (South Korea | Age 28)
DVOŘÁK Piano Quintet in A Major, op. 81
上記のBrobergと同じ曲。
Brobergよりも表現の密度が濃いというか、曲の隅々まで繊細に表情付けされている。
フレーズ感の出し方、ちょっとしたデュナーミクやアゴーギクの変化、そういった工夫が随所に聴かれる。
それでいて、わざとらしいというほどではないのが良い。
それでは、Brobergのような素直な演奏よりもこちらのほうが優れているのかといわれると、一概にそうとは言えないのが音楽の面白いところである(特に室内楽では)。
あとは好みの問題だろう。
私としては、甲乙つけがたい。
そんなわけで、今日の3人は室内楽では同等に素晴らしかったように思う。
明日の3人も同じ調子ならば、室内楽ではあまり差がつかないかもしれない。
やはり、勝負を分けるのはグランド・コンチェルトか。
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