■「銅」の小野塚彩那、祖父2人の遺影に口づけ
ソチ五輪の新種目・フリースタイルスキー女子ハーフパイプ(HP)で銅メダルに輝いた小野塚彩那(25)が21日、五輪公園内のジャパンハウスで記者会見し、「やり切ったし、競技もアピールできた。すごく価値あるメダル」と満面の笑みで語った。
一夜明けた心境について、小野塚は「まだメダルも手元にないし、実感もないが、携帯電話がたくさん鳴って、やっと取ったんだなという感じ」とほほ笑んだ。
3年前にアルペンスキーからHPに転向した小野塚。その理由を「ただ単純にオリンピック種目になったから」と説明し、「壁もなく、すんなり(HPに)入ることができた。アルペンの技術が今に生かされているのではないか」と振り返った。
転向後、知人や地元住民らが海外遠征を資金面で支えてくれた。「応援してくれる方々がいなければ、この場に立つことも、メダルを取ることもなかった。みんなで取ったメダル」と感謝の気持ちを表した。
おじいちゃん子の小野塚は、祖父2人の遺影を家族に持ってきてもらい、メダル獲得後、感謝の意味を込めて遺影に口づけした。その話に及ぶと、「現地に来て見てもらってよかった」とホッとした表情。海外遠征にはお守り代わりに、母のゆかりさん(45)から、祖父の形見のネックレスを必ず借りていく。メダリストになった今後も、「それは続くんじゃないかな」と強調した。
■キム・ヨナ 「一番のライバル」浅田にねぎらい
フィギュアスケート女子で銀メダルを獲得した金妍児(23)=キム・ヨナ、韓国=が21日、五輪公園内のコリアハウスで記者会見を行い、記憶に残るライバルとして浅田真央(23)=中京大=の名を挙げた。「2人だけがライバル、という状況で10年以上も競技を続けてきた。このように長い間比較されながら競技した選手もあまりいないのではないか」と両者の関係を振り返った。
金妍児は浅田のフリーの演技を映像で見ていたといい、「浅田の涙を見て、私もこみ上げるものがあった。お疲れさまという言葉を伝えたい」とライバルをねぎらった。
自身は今五輪で競技生活にピリオドを打つが、「ショートプログラム(SP)もフリーもミスなく終えられて、さっぱりしている」と心境を吐露。今後については具体的な話は出さず、「どうやって生きていくか悩みもするだろうが、余裕を持って生きていきたい」と話した。
フリーの判定には韓国内で不満の声が上がっている。だが、銀メダリストは「偏った判定の話が出るたびに、私より周囲の人が怒っている。私はうまく滑れたことに満足していて、何も未練はない」と諭した。
■五輪フィギュア:銀の金妍児「自分の力を120%注いだ」
ソチ五輪第14日の20日、フィギュアスケートの女子フリーは、前日のショートプログラム(SP)2位のアデリナ・ソトニコワ(17)=ロシア=が逆転でロシアのフィギュア女子初の金メダルを獲得し、五輪2連覇を狙った金妍児(キム・ヨナ)(23)=韓国=は2位だった。3位はカロリナ・コストナー(27)=イタリア。
演技を終えた金妍児は、リンクを囲む四方の観客席へ丁寧に礼。そして拝むように、顔の前に両手を合わせた。それが金メダルへの祈りだったのなら、かなうことはなかった。示された結果はソトニコワに届かず銀。「別に得点には期待していなかった。ミスなく終えたことに、ただ満足している」と静かに受け止めた。
3人前に登場したソトニコワが、高得点を出して一躍トップに立っていた。最終滑走の金妍児が姿を見せると、その出来栄えに気をもむ観客の視線を一身に集めた。だが金妍児は、自分だけに集中して氷上に立った。
微妙に着氷が揺れたジャンプはあったが、ほぼミスのない演技を披露。「練習ほど完璧ではなかったけれど、やるだけのことはやった」。昨年9月に右足甲を痛めて始動が出遅れ、前回のバンクーバー五輪でつかんだ金メダルを超える動機も見つからないながらも、厳しい練習に耐えて臨んだ舞台。「体も気持ちも限界まで追い込んだ。今夜は自分の力を120%注いだと思う」。ここまでの足取りに悔いはなかった。
メダリストへのフラワーセレモニーをリンクサイドで待つ間、自らソトニコワとコストナーへ歩み寄り祝福の抱擁を交わした。表彰台ではソトニコワに花束が贈られる間、一段低い場所からずっと拍手を送っていた。それは、戦いを終えた自分自身へのねぎらいのようにも見えた。



