■五輪フィギュア:銀の金妍児「自分の力を120%注いだ」
ソチ五輪第14日の20日、フィギュアスケートの女子フリーは、前日のショートプログラム(SP)2位のアデリナ・ソトニコワ(17)=ロシア=が逆転でロシアのフィギュア女子初の金メダルを獲得し、五輪2連覇を狙った金妍児(キム・ヨナ)(23)=韓国=は2位だった。3位はカロリナ・コストナー(27)=イタリア。
演技を終えた金妍児は、リンクを囲む四方の観客席へ丁寧に礼。そして拝むように、顔の前に両手を合わせた。それが金メダルへの祈りだったのなら、かなうことはなかった。示された結果はソトニコワに届かず銀。「別に得点には期待していなかった。ミスなく終えたことに、ただ満足している」と静かに受け止めた。
3人前に登場したソトニコワが、高得点を出して一躍トップに立っていた。最終滑走の金妍児が姿を見せると、その出来栄えに気をもむ観客の視線を一身に集めた。だが金妍児は、自分だけに集中して氷上に立った。
微妙に着氷が揺れたジャンプはあったが、ほぼミスのない演技を披露。「練習ほど完璧ではなかったけれど、やるだけのことはやった」。昨年9月に右足甲を痛めて始動が出遅れ、前回のバンクーバー五輪でつかんだ金メダルを超える動機も見つからないながらも、厳しい練習に耐えて臨んだ舞台。「体も気持ちも限界まで追い込んだ。今夜は自分の力を120%注いだと思う」。ここまでの足取りに悔いはなかった。
メダリストへのフラワーセレモニーをリンクサイドで待つ間、自らソトニコワとコストナーへ歩み寄り祝福の抱擁を交わした。表彰台ではソトニコワに花束が贈られる間、一段低い場所からずっと拍手を送っていた。それは、戦いを終えた自分自身へのねぎらいのようにも見えた。
