こんにちは!海外事業部の金光です。
昨年11月から今年4月までサイクロン復興事業実施のため、モザンビークに駐在しておりました。
モザンビークの中央部に位置するソファラ州は、その地理的位置から毎年雨季に大雨洪水や熱帯低気圧(ひどい時にはサイクロンに発達することも)の影響を受けやすく、当団体も2019年初旬に到来したサイクロン・イダイ以降、本州にて支援活動を行っています。
活動内容に関しては当団体の公式ホームページやSNSのアカウントにて発信させていただいているので、ここでは私が現地での活動を通して印象に残った経験をご紹介させていただきたいと思います。
①お祈り行事
現地で活動する中で印象深かった経験は、建設活動等、何か新しいプロジェクトを始める際には必ず行うとされる、コミュニティーによる伝統的なお祈り行事です。
これは宗教的というより文化的な慣習で、現地政府の関係者や当団体のような支援活動を実施する者が見守る中、コミュニティーの人々が大きな木のもとで、歌の合唱やお祈りをします。
現地の人曰く、この儀式無しに新しい活動を行うと、実施中に災いが起きると信じられているのだそうです。
実際私が現地で知り合った人道支援団体の方も過去にそのような経験をしたとのことで、とても興味深い文化だと感じました。
昔ながらのこのような伝統的な儀式がコミュニティーの結束力を強めているようにも感じ、
他国の言語や文化が入ってくる中でも、この文化がいつまでも続いていくといいなと思いました。
活動開始前、コミュニティーの人々によって行われる伝統的なお祈り
②歩くことで見えたもの
もう一つ私の中で印象に残っているのは、事業地である学校への移動です。
私たちの事業期間がちょうど雨季と重なったことから、事業期間の中頃から終わりにかけて、予定していた車両での移動が困難となりました。
現地のコミュニティーや行政機関、建設会社と相談した結果、車両がアクセスできない地点からはトラクターやバイク、または徒歩にて、2つの対象校へ行くことになりました。
天候によってはトラクターもバイクも一切使えないとのことで、炎天下の中片道2時間を歩くこともありました。
マスクを着用しての移動のためマスク日焼けは後悔ものだったものの、歩いている途中ですれ違う現地の方と会話をしてみたり、彼らの生活模様(農業をされる姿や頭の上に荷物や水をのせて運ぶ姿等)を垣間見たりすることができ、予定通り車両で移動しただけではできなかった経験や発見をすることができました。
写真に写っているのはとうもろこし畑で、利用したモーターバイクの運転手さんが自分で育てているとうもろこしを分けてくださることもありました。
対象校への徒歩での道のり
新しい地で活動・生活する際には慣れない慣習や予期せぬ事態に戸惑うこともありますが、
今回のモザンビークでの活動を通して、自分のもつ固定概念や常識にとらわれず、新しく出会った人々や文化からの発見や学びを大切にすること、そして新しい状況や考え方、生き方にも柔軟に、オープンに受け止める姿勢の重要性を学ぶことができたかなと思います。