東北のハワイ、いわき市。
綺麗な海が広がり、朝日は美しい。
いわき市の魚にも指定されている「メヒカリ」は是非食べたい逸品だ。
海岸で、散歩する地元の方と話をした。
「絶対津波は来ねぇって、逃げなかった奴もおるんだ」
3.11、東日本大震災。
海岸沿いを走ると、真新しい、整備された道が広がる。
内陸側には、開発途中だろうか、整備区画に家が点在する。
曇天の東の空から一瞬、朝日が差した。
8年後、いわき市を台風19号が襲った。
人口34万人の都市に全戸避難が発令された。
再び時が止まった。
被害は甚大だった。
夏井川は溢れ、平、好間、平窪、赤井、小川地区を始め、川沿いの多くの地区が被災した。
住家被害件数は約6,000世帯。
当時の話を聞くと背筋が凍る。
真夜中、あっという間に大水が来たそうだ。
家屋は水没し、見るも無残な現場と化した。
家の中は泥や瓦礫が散乱し、公園は水害ゴミで覆い尽くされた。
畳や瓦礫を全て外に出し、道路沿いがゴミだらけになった。
家を乾燥させるため、日中は窓を開け、夜は街から光が消えた。
それでも日々、時は進んで行く。
みんなが協力しあい、ゴミが片付いていく。
家が綺麗になっていき、街が綺麗になっていく。
鉄道が復旧する。
お店が営業を再開する。
ボランティアのニーズが減っていく。
まだまだ今までの生活に戻れない人もいる。
2階で暮らしている人、避難所で生活をしている人、まだまだたくさんいる。
でも、少しずつでも、復興に向けて日々前進している。
こんにちは。
11月よりいわき市の災害ボランティアセンターに派遣されております、グッドネーバーズ・ジャパンの原田と申します。
市内外、全国各地から来られたボランティアさん達に必要な資機材を用意し、送り出す役割をしております。
たまの休日にボランティアにも入ったり、常連メンバーと仲良くなったり、いわき市の方々をはじめ、全国各地からいわき市を応援に来てくださった方々に良くしていただき、本当にいわき市に来て良かったです。
被災者の方からも、「今まで夫婦二人で一生懸命頑張ってきたけど、何とかしてあと10年、この家に住みたいんだ。」というお声に、ボランティアさん一同、泥かきや崩れた法面(切土や盛土により作られる人工的な斜面)の補強など、みなさんが協力しあった結果、「生きる希望が持てました。お家も喜んでいます。」と感謝の言葉をいただきました。台風から2ヶ月以上、年末も近づく師走の日でした。
遠慮していて、なかなかボランティアを頼むことができなかった方もいます。
もう住めないからと、諦めた方もいます。
1階にあった家財道具は全て水に漬かり、見るも無残な状況になった方もいます。
10月末、いわき市に入った時は畳や家財道具、土のう袋が町の至る所に積み上げられていました。
お店は閉まり、夜は街に明かりがありませんでした。
家は汚れ、浸水規模を物語っていました。
台風被災から2ヶ月、少しですが街に明かりが灯り、閉店していたお店も再開しました。
全国各地からボランティアさん、運営スタッフも含め、多くの方の協力がありました。
涙するほど感謝の言葉をいただきました。
福島県いわき市に来て2ヶ月。
本当に大切な時間を過ごすことができました。
これからもいわき市に関わっていきたいと思います。
ありがとうございました。