ハヤテとヒカルはルピナスのブレラに到着した。
「ここがあなたのふるさとなのね。とても緑が豊かでいきいきしている。」
ハヤテは早速ブレラの自宅に向かった。おばのプリシアが彼をいつものように迎えた。プリシアはセネカ兄弟の姉にあたる。
「お帰りなさい。無事で何より。新しいお友達ができたのね。まあめずらしい。」
「ヒカルと申します。宜しくお願いいたします。」
プリシアは二人にパンケーキを作った。彼女のパンケーキは、はちみつたっぷりだ。二人は舌鼓をうった。
「セネカは本当に気の毒。あの子のまっすぐさがきっと怖いのね。あの意思の強さが。」
「おばさん、必ず父を救出致します。私は父の潔白を証明したいのです。」
プリシアは考え込んだ。
「私はあなたまでも危険な目に会わせたくないの。でもあなたの父親ゆずりの正義感も好ましく思っている。ビジョナリーブリッジの3番目の橋桁にあなたの突破口があるはず。運命は流れにのって進むもの。あなたの流れを行きなさい。」
ハヤテには一刻の猶予もなかった。わき目もふらずにビジョナリーブリッジを目指した。
ビジョナリーブリッジにつくと突然雨が降り出した。視界が見えない。ハヤテたちは落ちないように、欄干にくだった。橋下駄に見覚えのある一艘の船があった。黒装束のものたちに捕まる寸でのところで危機一髪現れた船だった。
「ハヤテ様、お待ちしておりました。私はセネカ様の部下です。この船は、セネカ様のご指示でご用意しておりました。あなた様をいつもセネカ様は見守っておられました。お伝えしたい事は山ほどございますが、さあ先を急ぎましょう。あなた様にお会いできるのを他のものも首を長くして待っております。」
そういうと隠し扉を開けた。中は以外に広いらしい。木造の船だと思っていたが、実はそれは入口の部分に過ぎなかったらしい。これは小型の潜水艦だ。見事に概観がカモフラージュされている。奥に突き進むと、たくさんの人がハヤテに駆け寄ってきた。
「ハヤテ様、このコート見覚えありませんか。そうです、セネカ様からいただいたのです。本当にお優しいかただ。ご自身は吹雪のなか、凍える私たち家族にこれを下さったのです。」「私は、…」
そこに集まっていた人達がかわるがわるセネカの自慢話しをする。ハヤテは改めて父の偉大さを知り、心から誇りに思っていた。
「ハヤテ様、明日はセネカ様の公開裁判が王宮で開かれます。ジャイロは、陪審員に報酬をちらつかせ、ことを有利に運ぶ手配を終わらせた模様。圧倒的に不利です。ここはなんとしても、セネカ様をお助けしなければ、今夜がラストチャンスです。」
彼らは監獄に向かった。