<組写真>どうやって組む? | なつかしの鉄道写真館

なつかしの鉄道写真館

昭和40年代の全国の蒸気機関車・路面電車・トロリーバスから最近の復活蒸機まで、「懐かしさ」をテーマに鉄道写真をUPしています。

私が10年以上前から入会しているニッコールクラブでは、年4回の会報誌で自由なテーマでカラーの部とモノクロの部に分けて、単写真及び組写真(2~4枚)で会員が腕を競っています。

 

また最近では、会員ならば誰でも気軽に参加できるオンライン・コミュニティや小人数が集まるミニ・イベントも始めるようになりました。

 

オンライン・コミュニティには、①ステップアップ ②機材 ③スナップ ④組写真 ⑤ポートレート ⑥風景の6つのサークルがあり、顧問の一流写真家を交えてのZoomやテーマを決めてのワークショップにより密に指導や意見交換ができるようになっています。

 

私も会報誌への応募の他に組写真のサークルに登録して、試しに2020年12月9日に愛知こどもの国で撮影した三河湾に沈む夕日とSLの競演の中から4枚をオンライン・コミュニティにup。

 

実はこの作品、いくつかのコンテストに応募したのですが全て落選。「ならばどこを直せばいいのか」の直接指導を期待したものの、まさか講評対象に選ばれると思わずにうっかりと指定日時のZoomを見落とす不始末。

 

後日の組写真サークルの報告を見て、アレレ私のが載っかっている。小林紀晴先生いわく「作品として成立していますが、順番を入れ替えると、、、」とのこと。どのように組み替えたのか、もっと詳しく先生のアドバイスが聞きたかった(泣)。

 

楽曲を作る際には曲先(きょくせん)と詩先(うたせん)の2つのやり方があって、先にメロディを作ってから詩を載せるのが曲先です。組写真でも先にタイトル(何を言いたいのか)を決めてから画を撮ったり選んだりする方法と、何十枚の写真から類似性を読み取って(分類と集中)組んでいくタイトル後付けのやり方があります。

 

私の場合は、「いいな」と思うメインカットをまず1枚から2枚選んでタイトル決め。そしてそれに連なりそうなカットを足したり引いたり取り替えたりしていきます。順番は時系列やストーリーを考えた起承転結、、コレクションのようにポン・ポ・ポンと並べることもありますが、いずれも言いたいことが簡潔に分かるタイトルを心掛けています。タイトルがなかなか浮かばない時は、写真が整理されていないということですね。

 

因みに上記のスクリーンショットのタイトルは「汽車燃ゆる」。運転席を突き抜けている夕陽をメインにしましたが、皆さんだったら同日に撮った下の20枚からどれを組みますか?

 

組写真は通常2~5枚で縦または横位置どちらかに統一しますが、表現方法としてはそれ以上の枚数や縦横混在もあります。写真の個展ではタイトルに沿った作品を数十枚展示しており、組写真の集大成ですね。

 

「汽車燃ゆる」の作例の他に、「ガンバレ豆汽車」として組むならば、爆煙走行やホームでの停車と転車台・給水塔を絡める組み方もあるでしょう。つまり組写真には正解は無く、同じネタから色々な料理ができるということですね。

 

何でこんなことを書いたのかというと、鉄道写真を撮られている方は単写真または連続写真で発表されている方が多く、また鉄道写真コンテストの募集もほとんど単写真のみ。もっともっと、組写真の楽しみを知ってほしかったからなのです。

 

そんなんで20枚を見直したら、1枚だけ入れ替えアスペクト比を16:9で「夕陽に照らされて」もできました。(広田泉先生の遺作展を見て、こんなタテ長も試してみました)

 

 

 

 

見え方が全然違うでしょう。

 

なおこれらの写真はクラブツーリズムの特別撮影会で撮ったものであり、普段はこの時間や角度から撮影することは不可能です。また現地の都合から現在は貸切撮影会は実施しておりませんので、ご自分も撮ってみたいと思われた方は当分ムリかと。

 

さて、7/9(火)~22(月)に東京の新宿にあるニコンプラザ東京のTHE GALLERYで、「PHOTO HUB by nikkor club写真展」として「汽車燃ゆる」も展示されます。

 

7/13(土)の13~14時に会場において、秋山華子先生・熊切大輔先生・小林紀晴先生のギャラリートークでは、どのようなご講評を賜るか楽しみです。期待するのは誉め言葉よりも、こうすればもっと良くなる。

 

写真展およびギャラリートークは一般の方も予約不要で見学できますので、是非ご来場ください。