川崎市で起きた痛ましい事件では
通信アプリの「ライン」がいろいろな意味で
注目を集めたと思う。
被害者の少年は「ライン」を通じて
加害者の少年たちと親も知らない
交友関係を結んでいた。
一方、容疑者の特定、逮捕には
「ライン」の通信記録が有力な手掛かりに
なったことは疑いないようだ。
容疑者たちは証拠隠滅のため
被害者の携帯端末を持ち去ったようだが、
「ライン」のサーバには誰と誰が
いつどんな内容で交信したかすべて
残っているので、
全く無意味な行為である。
これは犯罪行為を撮影された犯人が、
監視カメラを破壊したり持ち去ったりしても、
別の場所にあるデータデバイス
(最近はクラウド化しているらしい)
のデータを消すことができない
というのと同じである。
さらに似たようなことは働く場にもある。
いわゆるブラック企業の職場にもあって、
過労死など違法な過重労働が裁判で
問題になった時、
メールの交信記録が証拠とるケースがある。
中一少年殺害事件の容疑者のように
被害者のパソコンのメール記録だけを削除して
働かせていないと言い張っても、
メールサーバや送信相手のサーバやパソコンには
交信記録がすべて時刻付きで残ってしまっている
ので誤魔化せない。
つまり、現代においては、
インターネット的手段を介在させた行動の痕跡は、
完全に消し去ることは
最早不可能ということである。
先日の未来予測番組でやっていたが、
遠くない将来、ありとあらゆる物品に
チップが搭載・内蔵されるようになり、
情報としてデータ化される時代が来るという。
そうして集めた膨大なデータを
無限に近い能力を持つ量子コンピュータで
管理解析することが可能になるらしい。
一度取得されたデータは、
半永久的に蓄積されていて
取られた側では消し去ることができない。
ありとあらゆる物品にチップが搭載され、
情報端末として機能し始めるとなると、
インターネット的な痕跡を残さずに
人間が行動することは不可能だから
「人に知られずに何かをする」ということは
不可能になる。
犯罪や不正の抑止にとっては
素晴らしいことだが、
なんだか空恐ろしい気もする。