季節は移ろう。
いつの間にか、天地万物が清新の気に満ちる候となった。
野に出れば、枯れ木だった木々が緑の芽を出し、そばにあっ
た竹の葉が黄色く色あせてきた。
そよ吹く風にはらはらと葉を落とし始める。
▼地中の筍を育てるために起こる特有の自然現象だ。
俳句の世界では「竹の秋」というらしい。
先日のこと。
竹の秋を迎えた「孟宗竹林」の前に出る。
その中に馴染みの竹林の主が鍬を持って立つ。
▼いつの間にか周囲が整理され、春の陽ざしが辺りを包む。
挨拶を交わし、立ち話。
『地上に芽を出す前に収穫した早掘りの筍は「京都の子」に
なった。いまは、今年二度目の収穫で「伊予の子」にとど
まる』とにこりと笑う。
▼京都府には高級品の筍の産地があるが、これと肩を並べるた
めには「早掘り」が必要なのだと改めて知る。
有難いことに、持ち帰れと二本ばかり戴いた。
さっそく湯がき、煮物にしたり揚げ物にして夕餉を飾る。
旬の味覚に日本酒の盃も多くなった。
今日の歩行数 8,238 歩。キロ数にして約 5.5。