「目ひらきて 桜吹雪の 中にをり」
<森 澄雄>
「空をゆく 一とかたまりの 花吹雪」
<高野 素十>
桜の花の命はとりわけ短い。
▼指折り数えれば、僅かに十日ばかり。
松山のソメイヨシノの開花宣言があったのは3月21日だっ
た。
その花を追ってあちこちを巡り歩く。
公園であったり、河川の岸辺であったり。
▼3日ばかり前のこと。
山麓に並び立つ、樹齢を経たソメイヨシノの桜木の下に立つ。
人と同じく、馴染みになると何故か愛おしい。
見上げれば、そよ吹く風に花びらがはらはらと舞い落ちる。
一つ、二つ、三つ。
▼ときおり、一陣の風が吹く。
とたんに、一かたまりの「花吹雪」。
ピンクの可憐な花びらが路上を覆う。
手を差し伸べてもつかめない。
立ち止まり、風情のある落花の舞に哀れを覚える。
今日の歩行数 8,411 歩。キロ数にして約 5.6 。