6月に入り、徐々に暑い日が続くようになりましたね。
関東エリアは、まだ梅雨入りはしていないようですが、6月中盤頃からはジメジメ雨の季節になりそうです。
この時期、体調を崩される方も多いようですので、ご自愛くださいませ。
さて、本日は、皆様も関心の高い話題「103万円の壁」について、お話をしていきたいと思います。
2025年3月31日に令和7年度予算案が可決成立し、いわゆる「103万円の壁」の対応が決定しました。
給与所得控除や基礎控除、扶養控除の金額等が改正されることにより、多くの方が不安と心配をされていると思います。
この「103万円の壁」とは、所得税額計算において、収入のうち、課税対象にならない金額のラインのことを言います。
課税給与所得金額とは、収入から給与所得控除と所得控除(基礎控除など)を差し引いた金額を言います。
つまり、給与所得控除55万円と基礎控除48万円を足した金額が103万円になります。
今回の改正前までにおいて所得税がかからないボーダーラインが年収103万円だったということです。
この103万円の壁のルールは、「1987年」に創設された制度です。
「1987年」ですよ。昭和62年・・・バブル期の出来事です。NTTが携帯電話サービスを始めたり、国鉄が民営化されJRになったりした年です。
実に38年前です。
この間、日本経済はバブルが崩壊し、長い不景気とデフレの時期を経験している中、実に38年も手付かずだった制度とも言えます。
約40年前の1万円札の価値は、どのように変化をしてきたか・・・。少し調べてみましたところ、2024年の時点で「7660円」にまで目減りをしているようです。
約24%下がったということになります。
つまり、約40年間で、1万円の価値は、7660円まで下がったということですが、一方で昨今では消費税増税や、インフレ(スダクフレーション)の影響などによって、益々、生活に影響が出ているのが現実です。
この「103万円の壁」によって、以下について長い間問題視されていました。
◆働き控えによる労働制限と人手不足
◆税制度にインフレの影響が考慮されていない
◆生活コストとのバランスが考慮されていない
などなど。
そこで、右往左往をしながらの落としどころとして、令和7年度予算における「所得税法等の一部を改正する法律」により、令和7年度年末調整から、「所得控除と基礎控除の拡大」と「特定親族特別控除の創設」が実施されます。
◆所得控除と基礎控除の拡大
給与所得控除の最低保障額が65万円に。
基礎控除は、原則の控除額を58万円としつつ、特例措置として給与所得控除後の控除所得金額に応じた控除額が段階的に適用されます。
◆収入額 ◆給与所得控除額
190万円以下 65万円
190万円超360万円以下 収入×30%+8万円
360万円超660万円以下 収入×20%+44万円
660万円超850万円以下 収入×10%+110万円
850万円超 195万円
◆合計所得金額 ◆基礎控除額
32万円以下 95万円(58万円+37万円)
132万円超 336万円以下 88万円(58万円+30万円)
336万円超 489万円以下 68万円(58万円+10万円)
489万円超 665万円以下 63万円(58万円+5万円)
665万円超 2350万円以下 58万円
2350万円超 2400万円以下 48万円
2400万円超 2450万円以下 32万円
2450万円超 2500万円以下 16万円
2500万円超 0円
※令和7年・8年度年末調整
なお、令和9年度からは、132万円超2350万円以下の基礎控除が58万円、2350万円超2400万円以下の基礎控除48万円、2400万円超2450万円以下32万円、2450万円超2500万円以下の基礎控除16万円、2500万円超の基礎控除0円になります。
加えて、新たに特定親族特別控除が創設されます。これは、特定扶養家族に該当する19歳以上23歳未満の子どもを扶養している従業員に、子どもの所得に応じてこれまでの特定親族特別控除よりも控除の範囲を拡大する制度です。
これにより、年収150万円までは親の税負担が増えずに働けることになります。ただし、すべての学生が「150万円まで稼いでも大丈夫」と言うわけではなく、年齢によっては、123万円を超えると親の税負担が増える場合もあります。
令和7年度の年末調整より、「年収の壁」が103万円から160万円に変更になります。
これにより、「働く時間の調整の必要性が軽減される」ことや、「手取収入が増える」「働く意欲が増す」「減税効果が見込める」などのメリットも生まれることになります。
一方、「社会保険の壁」は、今回の税制改正では盛り込まれませんでした。
所得税については、160万円の壁が実現することになりましたが、社会保険に関する106万円の壁と130万円の壁については、従前の制度のまま残ることに注意が必要です。
所得税だけを考えれば、160万円の壁のみを意識すればよいですが、社会保険についても考えますと、単純に160万円の壁という数字のみを意識するわけにはいかないのです。
この「社会保険の壁」とは、社会保険料の支払いが発生するかどうかのラインを言います。
年収が130万円未満であれば配偶者の扶養に入れるので、自分自身で社会保険料を負担することはありません。これが、「130万円の壁」と言われています。
ただし、年収が130万円未満であっても、①勤務先の従業員数が51人以上②週の所定労働時間が20時間以上③賃金が月額88,000円以上④雇用期間が2ケ月を超える見込みである⑤学生ではないなどの場合、自身で社会保険料を納める必要があります。これが、「106万円の壁」と言われています。
また、あくまでも月額賃金(88,000円)を12倍すると年収ベースで106万円としているため、106万円の壁と言われますが、実際には月額賃金をベースに計算をされることにも注意が必要です。
厚生労働省では、最低賃金の引き上げに伴って必要性が薄れているという理由から、106万円の壁について撤廃する方向のようです。今後、併せて検討されている企業規模要件の撤廃とともに、106万円の壁が撤廃されれば、週20時間以上働くと賃金の額に関わらず社会保険料の負担が生じることになります。
103万円の壁⇒160万円の壁へと所得税についての改正となり、働く時間を増やすこと等で手取額も増える可能性があります。
一方、住民税や社会保険料の負担等の調整が必要になったりと、注意点が以前残ったままというのが実情です。
国内は、人材不足が社会問題になってからずいぶんと月日が経過しています。
一方で、働きたいのに働けない人が多く存在するという課題も山積しています。
他方、海外からの労働者を推奨しようとする動きもありますが、本末転倒になっていないか心配です。
個人的な考えとして、お話をさせて頂きますと、「~の壁」に縛られることなく、「働ける人は、しっかりと働いて収入を得る」という意識に転換していっても良いと考えています。
勤務調整や所得調整などをすることよりも、さらに多くの収入を得ることで可処分所得は増加することになります。
所得税や社会保険料の負担はありますが、仮に年収1,949,000円までの所得税は5%、3,299,000円までの所得税は10%(控除額97,500円)です。
仮に、年収300万円の場合、所得税は、「300万円×10%-97,500円=202,500円」になります。
プラスで社会保険料負担をしたとしての手取年収は、2,368,850円になります。
所得に対しての税負担が大きいと感じる方も多くいらっしゃると思いますが、それでも働ける人は、しっかりと働いて収入を得ることで、得られることも大きいのではないかと感じています。
昨今の物価上昇も相まって、生活面にも大きな影響が出てきています。
令和の米騒動も、何だかおかしな話ですよね・・・。
海外では、安価で日本のお米が店頭に並んでいる一方で、国内では古古古米・・・。
昨年は、お米は凶作ではありませんでした。
色々とおかしなことが多くありますが、それでも足元の収入と支出のバランスはとても大切です。
40年前の10,000円の価値から、約24%も目減りしている今日、一方では物価上昇という・・・。
それでも、長く続いたデフレ期には、円預貯金を持つことは、ある意味で資産保全になっていました。
ただ、いよいよ円だけで資産を保有していることは、益々、資産が目減りしていく一方ということになります。
円以外の通貨や、投資信託、金・銀などで資産運用をしていく必要性は、益々高まってきています。
ライフイベントの変化や、働き方の変化、資産運用をしてみたいけど不安などなどございましたら、まずはご一報を頂けましたら幸いです。