代償交付金について | fp.takunの”Improve your quality of life Blog”

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GWは、いかがお過ごしでしたでしょうか?
旅行に出かけられた方、お家でゆっくりされた方など、それぞれの過ごし方をされたかと思います。



さて、久々のレポートとなりますが、本日は表題の通り、「代償交付金について」というテーマでお話をしたいと思います。


「代償交付金とは・・・?」

とお思いになる方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に解説をさせて頂きます。


代償交付金とは、相続等が発生した際に遺産分割において、特定の相続人(後継人)に財産を渡し、その後継人がその他の相続人に代償交付金として現金を支払うという分割方法を言います。

代償交付金を払う後継人を受取人にすることで、生命保険を代償交付金に充当することができます。


実は、この代償交付金は、法人・個人問わず、とても大切な相続対策のひとつになります。

法人の場合では、その法人を特定の後継人が引き継ぐことで、その他の相続人に対する代償交付の準備として、生命保険の活用はとても有効とされています。

また、個人についても、例えば実家の土地建物を長男が相続する代わりに、その他の兄弟(法定相続人)は、現金で遺産を受け取る等をする場合に、保険金受取人を指定することで、それぞれの受取人に対して保険金が支払われるため、とてもスムーズな相続手続きが可能です。




ここでは、「生命保険が相続対策」として有効に活用できるのか・・・について、もう少し掘り下げてお話をしていきたいと思います。



生命保険の有効活用には、主に次の3つが挙げられます。


①節税対策

相続税の納税が予想されるケースで、『生命保険の非課税枠』の活用により相続税の納税額を少なくすることが可能になります。

「500万円×法定相続人数=生命保険の非課税枠」

②納税資金対策

納税資金が不足すると予想されるケースでは、生命保険を活用することで相続発生時に現金を確保することができます。

③遺産分割対策

遺産分割で相続争いが起こりそうなケースでは、保険金受取人を指定することで確実に相続させたい相手に現金を残すことができます。




法人の場合には、法人代表者(故人)の個人(保証)での借り入れ等の返済や、当面の営業資金にも保険金を充当することが可能になります。
一般的に、中小企業の場合、法人代表者が亡くなることによる経営への影響は大変大きく、スムーズな事業承継がなされるケースは稀で、経営面での安定化を図る上でも大変重要になってきます。
これまで借り入れていた事業資金の返済や、新体制での新たな運転資金の確保など現実的な課題は多いのが事実です。


個人の場合は、相続発生しますと被相続人の預金口座等が閉鎖されるため、相続発生後の遺言書の検認(遺言書の形式や有無により)、遺産分割協議等の手続きを進めた上での故人の預貯金等を含めた遺産の整理となります。
その間、葬儀費用等の諸々の出費については、相続人が立て替えるケースも多くあります。

仮に、被相続人(故人)が、生命保険に加入をし、生命保険金受取人を指定しておくことで、法定相続人に対しダイレクトに保険金の支払いがなされます。
生命保険金の支払いについては、原則として「請求手続きが完了した日の翌営業日から5営業日以内」(不備なく手続きが完了した場合)とされていますので、相続発生後、速やかに手続きをすることで、保険金の支払いを受けることが可能です。

(※)生命保険金の受取人には、「保険契約における保険金請求権」があります。
これは、生命保険金受取人の固有財産になりますので、「相続財産には含まれない」のが原則です。
そのため、仮に相続放棄をした場合でも、保険金受取人の権利は有効となり保険金を受け取ることが可能です。



こうしたことから、「生命保険」の有効な活用ー何より「代償交付金として」の生命保険の活用については、大変有効になってきます。

とかく、生命保険に対する不安や保険料支払い等の懸念から、保険加入は敬遠しがちではありますが、「正しい知識」と「適正な加入」をすることで、将来の大きな課題への対処を「事前にできる」という意味では、とても有難い存在でもあります。


まずは、現在加入中の生命保険について、どのような保障内容なのか(保障される期間は?保険金額は?など)、そして、「受取人は誰になっているのか」など、改めて確認をしてみることは重要です。

受取人については、1名だけ指定することも複数名指定することも可能です。

一般的には、配偶者を指定しているケースが多いと思いますが、お子様がいらっしゃるご家庭でしたら、お子様が成人したタイミングを見て受取人に指定する、あるいはお子様を受取人に指定した生命保険に加入するなどの準備をしておくことも大切です。

補足ですが、意外と多いケースでは、独身時代に加入した保険をそのまま保有されている方などは、受取人がご両親のいずれかになったままのケースもあります。
このケースの場合、仮に本人に万が一があった場合には、保険金は受取人であるご両親のいずれかに支払われますので、本来守るべき家族(配偶者やお子様)へは直接保険金が支払われなくなります。

また、離婚をされた方なども、前妻・前夫を指定したままの契約も散見されます。
これも、上記同様に本人に万が一があった場合には、保険金受取人(受取人の権利)に支払われることになりますので注意が必要です。



法人・個人を問わず、こうした課題に対して、事前に準備をしておくことで回避できる課題も多くありますし、何よりも本人の遺志に基づいた相続対策をしておくことが、とても重要になってきます。

遺言書作成も併せて、生命保険の準備と受取人の指定(代償交付金)をしっかりと準備しておきましょう。

まずは、ご自身が加入されている生命保険内容の確認等をしてみてください。

そして、「???」が出てくると思いますので、その時には、ぜひご一報くださいませ。