台湾式茶芸館と欲張りスケジュールのはざまで | 旅するえみな

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—旅する鞄—
  故郷定住08


旅はナナメ歩きが面白い

また来よう!、が、また増えた!

 

思い描く理想の旅は『沢木耕太郎さん風』

ザックひとつで何ものにもとらわれず気の向くままに・・・

 

でも現実は

あれもしたい、ココも見たい、それも食べたい・・・

インターネットの普及で安易に瞬時に情報を得ることができるようになった昨今

誘惑の量は少し前に比べて爆発的に増えてしまいました。

その誘惑たちを断ち切って、のんびり旅のスタイルを通しきることはなかなか難しい・・・

 

バナナ

 

 

12:45

私たちはいま『Dancing Goats Coffee』という

ちょっと愉快な響きのネーミングのお店でランチをしています。

 

 

フォカッチャみたいなパンにローストチキンが挟んであるサンドイッチとコーヒー。

 

台北の北門駅からMRT松山新店線で5つ目の駅『台電大樓』下車

そこから徒歩15~6分くらいのところにあるお店。

 

 

じつは私たち、このカフェから歩いて2~3分のところにある

『紫藤廬(ツートンルー)』という茶芸館で

ランチ&茶芸体験をしたいと思っていました。

 

ネットで得た事前情報ではランチの提供もある、とのことで楽しみにしていたのですが

『紫藤廬』に入るなりお店の方に

「現在ランチの提供はしておりませんので、もしまだランチがお済みでなければ

この近所にもいくつかお店がありますのでそちらで。

空腹時のお茶はお腹にも良くないのでその後のご来店をおススメします。」

という先制パンチをいただいてしまい、

近くにあったこの『Dancing Goats coffee』でランチ、と相成ったのでした。

 

ふらりと入ったお店でしたがローストチキンもコーヒーも美味しかったです。

2人で約1,800円くらい。

 

 

バナナ

 

余談ですが

ネット検索では必ずしも最新情報が得られるとは限らないこと、

そして自分の検索能力は甘いなあということ、

旅をすると、いつもこの2つを思い知ります。

 

バナナ

 

 

茶芸館『紫藤廬』は台電大樓駅から歩いて14~5分。

近くには小学校や国立台湾大学があり、

年代を感じるけれど重厚なマンションや瀟洒な住宅が立ち並ぶ一角にあります。

 

 

一見普通のお家のようなところ。

ひっそりと佇む風情で気を付けていないと通り過ぎてしまいそう。

ネットで写真を見て、その隠れ家風な趣の茶芸館に是非行ってみたいと思ったのでした。

 

 

『紫藤廬』は

1920年代初めに建てられ、日本統治時代高官の官舎として使われていた建物だそうです。

のちに、台湾大学教授であった周徳偉氏の住居となり

それを引き継いだのが現在のお店のオーナーである息子さんの周渝氏。

ここは、周徳偉氏の時代から周渝氏の代まで

多くの文人墨客のサロンとして使われていたそうです。

1981年に茶芸館となりました。

 

 

その後様々な経緯がありましたが、

多くの市民の声により古跡として指定され

2008年改修・リニューアルオープンしたのだそうです。

 

バナナ

 

時刻は13:05

再度お店訪問。

 

リノベーションされた建物ならではの温かみと懐かしさを感じる室内。

 

あっち、こっちと忙しく歩き回って、少し泡立っている心の中に

ひんやりと静かな空気が染みわたるような感覚。

 

 

お席に案内され間もなくオーダーを聞きにお店の方がやってきました。

 

メニュー表には

凍頂ウーロン茶や、高山ウーロン茶など日本でもおなじみのものから

はじめて目にする種類まで様々なお茶の名前がありました。

 

これらの中からひとり1種類ずつを選びます。

日本語で説明がついているので何とか選べますが、

せっかくだからと思い、お店の方におススメをお尋ねすると

日本語のできるスタッフさんが丁寧に教えてくださいました。

 

お茶の用意ができるまで店内を見学。

 

日本の旧家のようなワンシーン

 

 

大正ロマンを彷彿させる畳のお部屋。壁に飾ってある絵も雰囲気を壊さず素敵です。

 

 

何かの展示コーナーでしょうか。

 

 

先ほどとはまたちょっと趣の異なる和室。

 

大小いくつものお部屋があり、それぞれ違った表情の室礼で素敵でした。

サロンとしての役割だったというこの建物の往時の雰囲気が伝わってきます。

 

 

お席に戻るとタイミングを合わせたようにお茶が運ばれてきました。

 

お作法は、頼めば丁寧な説明とともに教えてくださいます。

茶芸館で体験したかった台湾茶のおいしい淹れ方と嗜みです。

 

スタッフの方の一つ一つの所作をたくさん写真に撮らせていただきました。

これだけでもう満足!

 

 

右の高さのある茶碗(聞香杯)は嗅ぎ茶用。

中に入っているお茶を左の平たい茶碗(品茗杯=お茶を飲むためのもの)

に移し、聞香杯の残り香を楽しみます。

 

スタッフの方の説明によれば

一回分の茶葉(1グラムくらい)で抽出時間を変えながら4煎以上は楽しめるとのこと。

 

そして「どうぞ、16:00まで居ることができますのでごゆっくりお楽しみください」と。

 

今、13時過ぎですから3時間くらいゆっくりできるということです。

きょうは平日ということもありお客さんも少なめ。

皆さんゆったりと談笑しながらお茶を楽しんでいる風でした。

 

クローバー

 

窓の外を眺めたり、静かな音楽を聴いたりしながら

ゆったりお茶を淹れて・・・そんなひとときがきっと、

安らぎと新しい元気を運んでくれるんだろうなー

 

クローバー

 

でも・・・・じつは・・・私たち

予定が押せ押せになっちゃっていてそうそうゆっくりできないのです。

 

 

明日は台湾を離れる日。

きょうはこの茶芸館体験のあと台北のホテルに戻りチェックイン後、

ホテルの近くにある迪化街散策&お土産やらのお買い物を予定しています。

 

文字にするとそれほど盛り盛りのスケジュールには感じませんが・・・

 

迪化街は今回の台湾旅の中でとっても楽しみにしているところ。

行ってみたいお店もたくさんあるし

あらかじめ作ってあるお土産物リストのほぼ全てを

迪化街でゲットしようと思っていて、ここで小半日は費やしたいと思っていました。

 

 

それなのに。

『紫藤廬』に来る前にバタバタ迷走事件があり、大幅にタイムロスをしました。

それは、パイナップルケーキクエスト。

 

 

パイナップルケーキは娘から頼まれたお土産。

こんな時、急に良き母になろうとする私。

どうせ現地で買うならおいしいもの、そして日本では手に入らなそうなものを、

と、頑張ってしまうのです。

 

事前にネットで調べまくり台北駅近くで手に入りそうなもの、とあたりを付けていました。

ところが、目指すお店が、あるはずの台北駅構内のショッピングエリアに無い!

 

台北駅構内を2周以上しても見つけられず、

最終的には駅の観光案内所で得た情報をもとに向かったのがこちら。

 

中ほどにある茶色の屋根が台北駅です。

 

「台北駅を出て道路を渡ったところに在る」という観光案内所の方の説明から推測して

ココ?しかないよね、と。

 

黄色い丸印の建物はホテル『君品酒店』。その中にショッピングエリアが在ります。

目指すお店をその地下街でやっと見つけました。

 

最近になって駅構内から移転したのでしょうか。

ともかくホッと一息、予定していた数のパイナップルケーキをゲットできたのでした。

 

 

 

しかしながら・・・

こんなに頑張って買い求めたパイナップルケーキですが

味は間違いなく美味しかった!・・・のですが、、、

 

何しろパイナップルケーキというもの自体、他にいろいろ食べ比べたわけでもなく、

冷静に考えればこれほどこの商品にこだわる必要があったのかしら・・・?って。

台北駅構内には他にもパイナップルケーキのお店はあるんです。

 

正解があるわけではないし美味しいものを買えてよかったのだけれど・・・。

知らないところを旅する時って、

平常心を失くして変なテンションになっちゃうところが面白い。

おかしなパイナップルケーキクエストでした。

 

バナナ

 

というわけで

このドタバタでの時間ロスは約1時間。

 

おかげで2時間くらいは滞在しようと思っていた『紫藤廬』でしたが

1時間滞在がせいぜい、となってしまったのでした。

 

バナナ

 

時刻は14:00過ぎ。

残念だけどもうお店を出なきゃ!です。

 

せっかく選んでいただいた美味しいお茶なのに長音記号1

まだまだ抽出できるのに長音記号1

後ろ髪引かれる思いで席を立ち、会計のためカウンターへと向かいます。

 

次のスケジュールのため、

あわただしく席を立つ自分を心のどこかで引け目に思っているからでしょうか。

私たちが入店するずっと前からいらした一組のお客さんに

「え!もう帰るの?落ち着かない日本人ねー」なんて思われているような気がして

ちょっと恥ずかしかったのでした。

 

過密スケジュールが恥ずかしい、なんてこと思うなんて。

これも台湾式”茶芸”の効果かしら・・・なんてね。

 

でもやっぱり反省。

次回はもっとゆったり味わいたい茶芸館でした。

(また来る気になっています)

 

 

 

お茶のお供にとオーダーした、紫藤廬自家製のパイナップルケーキと茶梅。

残した分を持って帰れますか?とお願いしたら

快くパッキングしてくださいました。

ちなみに今はお菓子のテイクアウトのみの販売はないそうです。

 

2人分でお茶・お菓子合計1,012NTD(4,926円)でした。

 

バナナ

 

これから台北のホテルに戻り迪化街を散策?いや駆け回ってのお買い物。

その様子は次回に。

 

 

ご訪問ありがとうございました。   えみな