旅するえみな

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—旅する鞄—
  故郷定住08


旅はナナメ歩きが面白い

なつかしい気持ちになるところを旅するのが好き。
とりわけヨーロッパの小さな街歩きに心惹かれるえみなのブログです。

旅をしていないほとんどは小庭の花や野菜と暮らす日々ですが、
ヒマさえあれば、今まで訪れた街やこれから行きたいところを妄想しながら
スケッチブックにむかったり、ミシンを踏んだりして
旅のかけらを集めています。

旅のこと、クラフトのこと、庭の千草のこと・・・。
お立ち寄り頂いたみなさまの
ひと時のブレイクタイムとなりますように。






 ご訪問ありがとうございます。

       えみな



 

花蓮 加油!

がんばれ石川県

 

私もあの写真に惹きつけられて行きました

台湾旅を決めたとき真っ先に行こうと思った場所が

「九份」でした。

 

台湾旅行のパンフレットやガイドブックなどに
今では定番のように紹介されている九份の写真。
非日常的でノスタルジックな情緒を漂わせた赤い提灯やレトロな建物・・・。
『台湾って全部がこんなイメージのところなのかしらラブラブ』などと思い込んでしまいそうな
不思議な魅力を放ち胸に迫ってきます。
 
風船
 
九份はかつて金の採掘で栄えた街。
台湾映画「悲情城市」の撮影場所として注目を集めて人気のスポットとなったそうです。
日本ではアニメ「千と千尋の神隠し」の油屋のイメージに似ているということからも人気に。
私はガイドブックに載っている風景を実際に見てみたかった、というのが訪問のきっかけ。
 
風船
 
台北から九份へのアクセス方法は主に3つ。
 
①電車&バスorタクシー 
        ②タクシー(NTD1,200≒6,000円くらい)
                      ③直行バス
 
それ以外に現地ツアーなどを利用するという方法もあります。
 
いずれも台北市から約1時間半前後のショートトリップ。
台北にホテルを取っている私たちにはもってこいのロケーションです。
 
風船
 
私たちは③直行バスで行くことにしました。
 
いろいろな情報を参考にしたところ
西門駅前から乗れる直行バス「965」便が分かりやすく利用しやすそうに思えました。

料金は90NTD(≒450円)  悠遊カードが使えますピッ気づきこれも嬉しい。

途中、高速道路を利用し約80分の乗車。とてもリーズナブル。
(ちなみに我が家の自宅から最寄り鉄道駅までのバス代は350円だよ長音記号1
バスは時間帯にもよりますが20分前後の間隔で運行されているようです。
 
このバスを使って九份にアクセスする方法については、
詳しく紹介したブログがたくさんあります。旅される方は検索してみてください。
私もそんな皆様の情報に大変お世話になりました。
 
 
帰りもこのバスを利用するつもりでしたが、
調べてみるとこれは結構ハードルが高そう。。。
(何も問題なくできている人も多いかと思いますが、私は心配だらけだったにっこりあせる
 
九份は赤い提灯にあかりが灯る夕暮れから夜が人気。かく言う私たちも・・・ですが。
暮色から夜景を見た観光客で帰りのバスはすごい混雑するとのこと。
混雑の状況によっては一本後のバスまで待たなければいけなそうだったり、
途中の瑞芳駅までバス、そこから電車に乗り換える方法もよい、という情報もあったり。。
 
帰る方法をあれこれ悩んだ結果、またまた『KKday』のお世話になることにしました。
それは
「九份から台北の西門駅までの送迎シャトルサービス」の利用。
 
日本円でひとり1,440円。バスよりは高いですがタクシーよりは安いです。
慣れない土地で慣れない公共機関に混雑した状況で夜の移動。
想像しただけで私には不安しかありません汗
夕暮れの九份を安心した気持ちで味わうためにはありがたいサービスだと思いました。
これも事前に日本で手配・決済しました。
 
風船
 
西門駅前から迷うことなくバスに乗れて
15:00少し前ころ「九份老街」停留所に到着。
 
(九份観光地のイメージ図)
 
 
噂に違わず大勢の人。。。
(展望台からセブンイレブン付近を見ています)
 
 
九份老街バス停近くのセブンイレブンの横に
「九份𦾔道」と書かれた路地があり、そこが基山路の入り口みたいです。
 
ガイドブックには「目立たない路地なので見落とさないように」
との注意書きがありましたが
大丈夫!この付近を歩いている人のほぼ全員がこの路地に吸い込まれていくので
迷うことはほぼないニコニコ
 
九份を訪れる人のほとんどみんなが行こうと思っているのが
『阿妹茶酒館』付近。
よく写真で紹介されているところです。
 
ここへは、お土産屋さんや飲食店が並びほぼ平坦な道の「基山街」から行く、
もしくは近いけれど急な階段を上る「豎崎路」から向かう、この2つが主なルートです。
 
私は、急階段は避けて、平らな基山街からのアクセスを迷わずチョイス。
最近の私はなんでも楽な方へ、安易な方へと判断が傾きがち。。。
さすらいの硬派な旅人を目指していたのではなかったのか・・私・・物申す
 
風船
 
人の流れのままに基山街をブラブラ歩きます。
何度も言ってしまいますがたくさんの人・・・。
こんなギュウギュウ詰めの観光地を歩くのはコロナ以降初めてです。
 
 
 
色とりどりにお土産が並べられたお店を冷やかしながら歩くのも楽しい。
 
カワイイ風鈴。
 
 
本物のイカが丸ごとペチャンコにされている!?
差してある台をよく見れば「どうか触らないようにしてください」と書いてあります。
触りたくなっちゃう気持ちが分かるくらいインパクトあります爆笑
 
 
懐かしい感じのディスプレイ
レトロな日本の文化と台湾の文化が交じり合っている空気感が面白い。
 
 
雰囲気あるタロイモぜんざいのお店
 
 
茶芸館で有名な「九份茶坊」のおちゃめなねこ
 
 
日暮れにはまだまだ時間があります。
このあたりでちょっと一休みしたい。
「忘情小築茶坊」さんへ(写真右手)
 
日没にはまだ早いせいか空いていて、階上のテラス席を案内してくださいました。
靴を脱いで清潔なお店のサンダルに履き替えます。
これだけでリラックスです。
 
夫は温かい烏龍茶を、私は冷たいジャスミンティーを注文。
 
テラス席からの眺め。
 
九份は実は海に近く小高い山の中にある場所だったのですね。
赤い提灯とノスタルジックな建物ばかりに気を取られていましたが。。。
海の名は「陰陽海」という名前だそうです。
 
海から吹きあがってくる風がとても心地よく
暑かった日中のすべてが癒されていくようでした。
 
お店の名前「忘情」ってどういう意味なんだろう。。後日調べてみたところ
『喜怒哀楽の情を忘れる』とか『我を忘れる』とか『気に留めない・吹っ切れる』とか・・・。
薄学な私には実のところは分からないのですが
このテラスでこの景色を眺めながら心地のよい風に吹かれていたときの
日常の憂さをふっと忘れてしまいそうだったあの感覚は
「忘情」だったかもしれません・・・。
 
 
視界を左に向ければ山肌にへばりつくように点在する九份の家々
 
景色を見ながらちょっと思いました。
せめて来るときぐらいは電車&路線バスにすればよかったかな、なんて。
直行バスはとっても快適で良かったのですが。。。
九份という土地をより身近に感じるにはローカルな電車やバスに揺られながら来るのが一番。。
 
 
右を向けば
基山街にある展望台が見えます。
壁面にはレリーフ。
 
風船
 
時刻は17:30を回りました。
ここで1時間半くらいゆっくりさせて頂きすっかり元気になりましたニコニコ
そろそろお店を出よう。
 
展望台側からみた「忘情小築茶坊」
一番上の白いシャツの人がいるあたりが先ほどまで私たちが居たところ。
 
風船
 
この時期17:30くらいじゃ、まだまだ明るいのですが
提灯にはそろそろ灯りがともる頃かしらーひらめき電球
 
「阿妹茶酒館」界隈へと向かいます。
 
人、人、人!
 
予想はしていましたが、
みんなあの写真を撮ろうとして、もしくは「阿妹茶酒館」に入ろうとして
付近の狭い階段は人で埋め尽くされています。
流れに乗って少しづつ歩くしかありません。
 
 
 
 
まだ日は暮れ始めですが
ここはまるで映画のセットのような完成された世界観をまとった一角です。
気がつけば私も一生懸命に、雑誌などで見たあの風景を撮ろうとしちゃっていました・・・・。
 
 
この位置は「阿妹茶酒館」がよく見える場所としてとても有名な
「海悦楼茶坊」のお店の前。
 
「海悦楼茶坊」に入ろうとして待っている人、ツアーの集合場所として待っている人、
そして「阿妹茶酒館」のあの有名なショットを撮ろうという人、人、人。
 
風船
 
SNSの力ってすごいですね。
世界中に拡散された素敵な写真と同じものを撮ろうとして、または見ようとして
世界中から人が来る。。。
 
みんな申し合わせたように同じ場所に立ちスマホを構えて同じ写真を撮る。
ちょっと立ち止まって高く手を掲げパチリと撮ってまた去っていく。
それがまるで決まりであるかのように、人が流れ続ける。。。
人ごみからちょっと離れたところにいた私は
不思議な気持ちで眺めてしまいました。
 
 
風船
 
時刻は18:00を回りました。
そろそろ戻らないと。
予約した帰りの送迎バスは、セブンイレブン九份店前集合19:00です。
10分前までには来てください、とのこと。
またお店を眺めながらゆっくり集合場所まで戻ろうと思います。
 
あたりが暗くなると灯りの風景はさらにいい感じ
 
かわいいお店の入り口・・・と思ってよく見たら
 
グッドな場所にツバメの巣(本物のツバメ)
 
風船
 
19時の20分前にセブンイレブン前に到着。
『KKday』のベストを着た人を探します。
いました!名簿を持った男の人。
名前を言って受付終了。
同じような送迎やツアーの待ち合わせの人たちでセブンイレブン前は大混雑でした。
 
19:00になり予約の人は全員揃った様子。
気がつけば名簿を持った男の人のほかに
もう一人、目印の旗を持った若い女性の係員の姿もありました。
 
みんなで誘導されるままゾロゾロと駐車場へと移動。
途中、急な階段を下りた先にライトアップされた寺院があり
またまたみんなで撮影タイムにっこり
『KKday』の人も心得た様子でしばし待っていてくださいます。
 
頃合いを計った様子で『KKday』のスタッフの人は私たち全員に二列に並ぶように指示。
さらに、
最後の方に並んでいた私たちともう一人、計3人は別の列を作るように誘導されました。
どうやら2台に分乗するみたいです。
マイクロバスでの送迎ということでしたが今日は申込者多数ということで
車2台での対応という感じです。
 
私たち3人を先導するのはあの旗を持っていた若い女の人。
「Follow me!」という声にくっついて行くと待っていたのは
トヨタの黒塗りのステーションワゴン。
私たちは後部席、もう一人の方は助手席に案内されました。
新車に近い感じのキレイな車内。
これで台北まで行けるなんて!まるでタクシーです。ラッキーピンク音符
 
車
 
ほどなくマイクロバスに続いて私たちのステーションワゴンも発車。
九份の暗くて曲がりくねった道を走り始めました。
 
と、間もなく車内に音楽が流れ始めました。
 
 
!?ん?この曲は!!yoasobiの「アイドル」!?
 
 
私たちが日本人だと知ってのお客様サービスなのでしょうか?
(もう一人の乗客がどこの国の方なのかは存じませんが・・車内暗くて席も離れていて
お話するタイミングがありませんでした)
 
「アイドル」が終わるとその後も日本のアニメソングらしい曲が台北まで流れていました。
私の孫を車に乗せるとこのような曲を聞かされるので何となく知っていますニコニコ
 
この女の人の単なる趣味なのか、サービスの一環なのかは全くナゾでしたが・・・
よもや、海外のこんなタイミングで日本のアニメソングを聴くことになるとは!
びっくりもしましたが、
yoasobiや日本のアニメ文化がどれだけワールドワイドなものなのかを
理屈抜きに実感した面白い体験でした。
 
車
 
そして車内でアニソンを聞きながら私がずーっと思っていたこと。
この女の人は家族はいるのかな・・・?
夜遅くまで男の人と同じようにバリバリ働いて、
帰ったら、どこかの夜市でご飯食べるのかな・・・?
テイクアウトにして家で食べるのかな・・・?
 
寡黙で運転がとても上手だったあの女性の後ろ姿のシルエットを眺めながら
台湾人の生活に向き合うバイタリティーのような空気を少し呼吸した気分の私。
ひとり合点的な思いと妄想の中にいた九份からの帰り道でした。
 
バナナ
 
これで台湾二日目は無事終了!
 
きょうもよく歩きました!
 
 
明日は新幹線に乗って台南に向かいます。
その様子は次回。
 
 
 
ご訪問ありがとうございました。   えみな