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旅はナナメ歩きが面白い

旅で救われた話

2024年4月17日

台湾旅の4日目

 

バナナ

 

昨日新幹線で台南に来た私たちですが

きょうはまた新幹線に乗って台北に戻ります。

何とも忙しいです。

こんな旅の仕方をしているから

海外の人から「日本人はミラクル」なんていわれちゃうんですね汗うさぎ

 

バナナ

 

ところで、ご紹介が遅くなりましたが

私たちが台南で宿泊した『天下南隈(てんかなんわい)』は

とても素敵なホテルでした。

 

日本統治時代、この地に台南のランドマークとして親しまれていた

ホテルがありました。

老朽化したその建物をリノベーションしたのが

『天下南隈』です。

 

 

 

木やラタン、タイルを使った内装は

レトロモダンな雰囲気で、

オシャレななんだけれどどこか懐かしい感じ。

 

備え付けのお箸やフォーク・スプーンは木製、お皿は再生紙のようでした。

手作りテイストの布製カトラリーケースもオシャレでした。

 

ティーボックスにはこんなお菓子!懐かしー!(歳が分かっちゃう?)

 

台南には台北よりも日本の文化が色濃く残っていることをたびたび実感します。

こういうのを思い出すと、台南また行きたい、もっとゆっくり居たい、と

何とも言えない愛おしさがこみあげてくるのです。

 

そして何といっても素晴らしかったのが朝食でした。

 

箱にセットされた美味しそうな食事。

これは「日式鮭魚卵飯」(日本式鮭ご飯)。

ほかに「台式虱目魚(サバヒ)稀飯」(台湾式虱目魚の雑炊)、

西式燕麦粥(西洋式オートミール)があり、いずれかを選べます。

 

さらにビュッフェがあり各種料理、飲み物、フルーツなどデザート類が頂けます。

料理はありとあらゆる台湾料理。

あまりに美味しそうすぎて、出来ることなら永遠にここに居たい気持ちになりましたよだれ

 

薄切り牛肉が山盛りにされているのを発見!

隣にはスープが入った大きなお鍋が火にかけられていました。

私は「美味しそうなしゃぶしゃぶ!」と

迷うことなくお肉を数枚スープに投入。

 

と、その時!

「あー!それはそうじゃない」という声が背後から降ってきたのです。

「えっ!?」びっくりして振り返ると

いつの間にそこにいたのかホントに気がつかなかったくらい

さりげない風情で立っているのはビジネスマン風の若い紳士。

 

紳士「これは『牛肉湯(ニュウロウタン)』という台南の料理で、

器にまず生肉を入れてそこにそのスープを注いで食べるものです」と。

私「え!そうなのですね!どうしようあせる

紳士「まあ、まあ、まずはその肉を一旦引き揚げましょう」とにっこり顔。

私「教えて頂きありがとうございました」

紳士は笑顔で自分の席に戻っていきました。

 

私はスープの中ですっかり茹で上がってゆらゆら泳いでいる肉を掬い上げ

それから紳士に教えていただいた通りに「牛肉湯」を作りました。

それがこちら。

好みで千切りショウガを散らしていただくそうです。

ネギも入れちゃったにっこり

 

生肉にスープを注ぐので、スープは何となく桜色・・・。

私苦手かもー汗と思いましたが

食べてみたらお肉は柔らかく良いダシ加減でとっても美味しかったのでした。

 

 

ところで、とても流暢な日本語を話していたあの紳士は日本人?台湾人?

どちらのお国の方でも”親切な人よ、ありがとう”という気持ちには変わりはないのですが。。。

私は、ベストタイミングな助け舟の出し方と、足の長さから、”台湾人”と確信していますニコニコ

 

バナナ

 

朝食を済ませホテルをチェックアウト。台北へ向かいます。

昨日台南に来たときは、

新幹線の台南駅(高鐵台南駅)からシャトルバスで台南市内にアクセスしましたが

台北に帰る今日は新幹線台南駅まで電車で向かうことにしました。

 

すでに新幹線のチケットは購入してあります。乗り遅れは困る・・・

渋滞などのリスクを考えると電車の方が確実な感じがするから、というのが理由。

 

台鉄台南駅までは徒歩。

時間は10~15分見当、朝のウォーキングも兼ねてチョキ

 

郵便局の前にあった面白いポスト。

 

今回は行きませんでしたが、台南ではじめて街が開かれた安平という場所があります。

レトロな風情で観光スポットにもなっているこの地区に古くから伝わる

「風獅爺」という魔除けがデザインされているものです。

インパクトありますね、

緑色が国内専用、赤色は航空便と速達、だそうです。

 

バナナ

 

楽しかった台南の短い滞在を惜しみつつ、亭仔脚の段差にもよーく注意を払いつつ爆笑

台鉄台南駅に到着。

建物の後ろ部分は工事中のようですね。全体像が見られなくてちょっと残念。

 

レトロな雰囲気の駅構内

 

改札付近。たくさんの利用客で賑わっていました。

 

8:07発 沙崙行きに乗ります。

 

新幹線駅の高鐵台南駅と直結している沙崙駅までは

5駅、乗車時間25分、25NTD(≒125円)

もちろん悠遊カードでピッなのでラクチン。

 

この電車は8:32沙崙駅着予定。

予約している新幹線は9:13発なのでかなり余裕があるはずです。

 

このあと、よもやあんなことが起こるなんて・・・この時は想像だにしませんでした。

 

バナナ

 

列車到着。いそいそと乗り込みます

乗った電車が間違いなく沙崙行きなのかを、

斜め向かいに座っていた若いお嬢さんに聞いて確かめました。

 

この数日の経験から、大学生っぽい若い人にはたいてい英語が通じると思ったからです。

自分たちの英語はつたないけれど何とか伝わります。

一方、台湾語は聞き取ることも、まして話すことなんてハードルが高くて無理なので・・・、

というのが、たまたま居合わせたこのお嬢さんに電車行先の確認をした理由でした。

 

お嬢さんは感じよくうなずきながら

「この電車で合っています」と教えてくださいました。

私たちは安心してリュックを下ろしシートに腰掛けました。

 

まもなく電車は動き出し台南駅はみるみる遠ざかっていきます。

今度はもっとゆっくり・・・きっとまた来るねーと甘い感傷に浸りながら、

ふと、先ほどのお嬢さんに目をむけると・・・

 

彼女は真剣な様子でスマホを見ていました。

 

イマドキの若い人の電車内での過ごし方は万国共通ね、

と、ほほえましい気持ちでいましたら、その時。

 

その彼女が立ち上がって私たちの方へやってきたのです。

お嬢さん「あなたたちは沙崙から新幹線に乗るのですか?」

私たち「そうです」

お嬢さん「何時の新幹線ですか?」

私たちは新幹線のチケットを見せて「この時間に乗ります」とお伝えしました。

お嬢さん「そしたらこの電車に乗っていれば十分間に合います」と。

もしかしたら彼女は電車の時刻表を検索するために

一生懸命スマホを見てくださっていたのでしょうか。

なんて優しいお嬢さんピンクハート

心がほんわりしたのでした。

 

バナナ

 

ゆったりした気持ちで、走る列車に身を任せていました。

そして、たぶん台南駅から3つ目くらいの駅に着いた時のことでした。

 

事件はこの時起きました。

 

突然電車の電気が消えてしまったのです。

今まで低い音で聞こえていた電車のモーター音やエアコンみたいなのもダウン。

シーンとなったうす暗い車内。

 

え、何??まさかこの電車故障した!?

 

しばらくすると、車掌さんが急ぎ足で目の前を通り過ぎていきましたが、

なんの情報もない私たちは成す術もなく、ただ座っていることしかできません。

困った・・・どうすりゃいいんだアセアセ

新幹線乗り遅れたらどうしよう滝汗

 

 

やや暫くすると車内アナウンスの声が。

でも、何を言っているのか全く分かりません。

すごい早口で感度の悪いスピーカー。そもそも台湾語は全く分からないしタラー

英語でのアナウンスもありません。

 

その時。

例のお嬢さんが近寄ってきました。

お嬢さん「この電車は故障しました。この駅で降りて代替えの電車を待たなければいけません」

そう言うと、一緒についてきて!というゼスチャーをします。

 

私たちは彼女にくっついて電車を降り、プラットホームのベンチに座りました。

 

この先どうなるんだろう、と思いつつも

いろいろ気にかけてくださるこのお嬢さんの存在で心細さはかなり小さくなっています。

 

しばらく待っているとプラットホームにアナウンスが響きました。

相変わらず何を言っているのか全く分かりません。

 

それを聞いたお嬢さんは私たちに

「この電車は復旧し発車できるそうです。一緒に乗りましょう!」

 

私たちはまた彼女にくっついて再び電車に乗り込みました。

今度は隣同士に座りました。

 

その数分後。

電車に灯りがつき、エアコンも稼働し始めました。

間もなく電車は何事もなかったかのように発車。

私たち3人は無意識に顔を見合わせて「あー良かったわね」と。

 

 

お嬢さんはまたスマホを見てから、こう言ってくださいました。

「大丈夫。この時間なら沙崙に着いて新幹線に間に合います」

 

 

本当に

「ありがとう!」しかありませんでした。

 

 

気持も少しづつ落ち着いてきて隣に座っているお嬢さんをそっと見ると

薄く化粧したお顔に、全く染めていない長い黒髪をきりっと清潔そうに結んでいます。

わきに置いたトートバッグからは小さなマイボトルと何かのファイルとノートが見えます。

 

やっぱり学生さんかしら?

私はそっとスマホでこの沿線上にある学校らしきものを探してみました。

あった!『長榮大學』。きっとここだわ、と思い

「失礼ですがあなたは大学生ですか?」とお尋ねしました。

お嬢さん「はい、そうです」

私「もしかしてこちらの学生さん?」とスマホを見せながらお聞きしました。

お嬢さん「あ、そうです」

 

私は「Thank you so so much.!・・・〇△□✕・・・」と

少ないボキャブラリーのその全てを総動員して彼女への感謝の気持ちをお伝えしたのでした。

 

バナナ

 

親切が身に染みるってこういうことだ、と、心から思った出来事でした。

台南駅から沙崙駅へと移動したこの時のエピソードが今回の台湾旅の一番の思い出となり、

台南・長榮大學・沙崙という場所は私にとって大好きなところになったのでした。

 

バナナ

 

無事、沙崙駅到着。

この時、時刻は8:51分。

 

ちなみにあの親切なお嬢さんは『長榮大學』で降りて行かれましたにっこり

 

乗車予定の新幹線は9:13発なので、絶妙のタイミングで間に合います!

 

 

 

旅にはハプニングはつきもの。

振り返ればそれもスパイスとなり良き思い出になりますが、

当時はプチパニックの大アセリアセアセ

とりあえず新幹線間に合ってよかったー

 

 

新幹線プラットホームで見かけた面白かったもの。

 

くまモン段ボールの有効活用爆笑

これ、日本人にはなかなか思いつけないかもー

 

バナナ

 

お昼は台北。憧れの茶芸館に行く予定ピンク音符

その様子は次回に。

 

ご訪問ありがとうございました。   えみな