夢に描いた「カワイイ台湾」背中合わせのざわつく思い | 旅するえみな

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—旅する鞄—
  故郷定住08


旅はナナメ歩きが面白い

 

優しい風にもひんやり風にも

吹かれながらのノスタルジック散歩道

 

 

時刻は15:30過ぎ。

 

新幹線に乗って台南を訪れた私たちは、

街を散策しながらランチやスイーツを食べ歩き

きょうのお宿『天下南隈』に到着。

 

 

チェックインを済ませ部屋でひと休み後

夕暮れ時の街歩きをスタートしました。

 

バナナ

 

歩き始めてすぐ。

 

なんかすごい大きな木発見!

樹齢はどのくらいなんだろう・・そもそも何の木?びっくりガジュマルの木?

台南が街になるよりずーっと前から在るんだろうなー

なんて思いながら木を見上げ

思わず周りをぐるりと歩いてしまいました。

 

バナナ

 

ホテルから歩くこと15分くらい。

初めの目的地に到着。

 

中山路と忠義路の交差点に立つ重厚な煉瓦造りの建物。

台南市指定古跡『林百貨』(リンパイフォ)です。

 

バナナ

 

歴史をさかのぼること日本統治時代の1932年。

日本人実業家の林方一という人が

この地に当時としては台南一の高層建築『ハヤシ百貨店』を創設しました。

「台南銀座」と呼ばれたこのあたりの中心的存在として

多くの買い物客を集めたそうです。

 

 

第二次世界大戦終戦とともに日本は台湾から撤退。

この建物は国民党の軍や警察の派出所になったり、空きビルになったりしました。

 

その後

1998年、台南市により古跡として指定されたのをきっかけに建物は修復され

2014年に商業施設としてオープンしたのだそうです。

 

旧ハヤシ百貨店の様子を内装まで再現したというレトロな雰囲気が人気。

現在は台湾の雑貨や土産物などが売られていて

台南を代表する観光スポットになっています。

 

バナナ

 

百貨店=デパートというイメージを持ちながら訪れると

思っていたより小ぶりの入り口。

 

中に入って、はっと息をのみました。

 

なんてしっとりと瀟洒なたたずまい。

商業施設というより美術館みたい。

 

お店の方にお聞きしたら館内撮影OKだということで

買い物することも忘れて撮影してしまいました。

(「もちろんどうぞ!」と、とても感じよく対応してくださいました)

こちら1階にはお土産などにぴったりな感じで

可愛らしいパッケージに入った台湾の名品やお菓子などが売られています。

 

 

趣のある重厚な階段を上って2階へ。

 

林百貨には「当時としては貴重なエレベーター」として名物だった

そのエレベーターが現在も稼働しているのですが、、、

こんなオシャレな内装を眺めながら何となく階段で上ってしまいました。

ついでに「貴重な」エレベーター写真は取りそびれ笑い泣き

 

2階は台湾デザイナーズやクリエイティブなどブランドグッズが並んでいます。

 

お洒落カワイイものが沢山!

レトロテイストな建物の内装やインテリアが、

それらの商品をいい感じで引き立てていて

その効果もあって、見るものなんでも欲しくなっちゃいますラブラブ

 

 

3階は洋服やアクセサリーなど流行ファッションのものが売られている感じでした。

フロアでお買い物を楽しんでいらっしゃるのは、

さりげなくお洒落をした台湾マダムっぽい人々。

近くにお住まいでご贔屓にしていて場慣れしている、というふうにお見受けしました。

 

”日本統治時代”、という私たちには少し気の引ける思いがまといつく時代に造られた建物。

それを壊してしまわないで大事に保存してくれてありがとう!

そして今も変わらず親しんでくださりありがとう!

って言いたい気持ちになりました。

 

 

そんな時ふと、目に入ったもの。

窓越しに見える一つの像。

 

実はこれは、台湾にたった一つある慰安婦像です。

 

2018年、国民党台南支部が主導で国民党の私有地に、

8月14日国際慰安婦デーに合わせて建てられたものだそうです。

慰安婦像の横には、中国語・日本語・韓国語での説明書きがあります。

 

台湾でもこの問題があったことを、この像を見るまで

恥ずかしながら私は知りませんでした。

 

バナナ

 

アジアを旅するとはこういうことだと思いました。

突然突きつけられる重い歴史。

 

今を生きる一介の存在でしかない私たちには

成す術はあまりないことなのだけれど、

 

けれど今回のように、旅をすることで知ることはできます。

誰も教えてくれない現実や事実を

旅をすることでひとつ、ひとつ学んでいくことはできます。

 

私たちはどういう視座を持って世界に向き合えばいいのかを

少しづつかもしれないけれど、でもちゃんと積み上げていこう、

そう思ったひとコマでした。

 

バナナ

 

時刻は17:00過ぎ。

 

林百貨に並んでいた

素敵なグッズや可愛いデザインの缶に入ったクッキーが気になりつつも

荷物を増やしたくない気持ちもあり・・・

とりあえずお店を後にしました。

 

次に行こうと思っているのは『神農街』

 

次から次へと観光地巡りをするのはあまり好きじゃないけれど

なにしろ明日の午前中には新幹線で台北に戻る予定を組んでいて・・・

そういう旅の仕方もホントは趣味じゃないんだけれど

4泊5日で初めての台湾旅、計画するうち結局あれも、これも、になっちゃったのです笑い泣き

ま、それも今の私の旅だ。。。

 

バナナ

 

テクテク歩くこと15分くらい

 

来た道(忠義路)を少し戻り左に折れて民権路に入りまっすぐ、

海安路を横断し間もなく左前方の道を左に曲がったところ(赤い色の道)。

 

この旅の中でも、とりわけ行ってみたいと思っていた『神農街』です。

 

ガイドブックなどで紹介されている写真をみて

私が会いたかった台湾はここにある!

妄想を募らせていました。

 

バナナ

 

『神農街』は、

水仙宮市場前から薬王廟まで

長さ300mほどの狭い道沿いに、木造の長屋風の建物が並ぶエリア。

リノベーションされたそれらの多くは現在は雑貨屋やギャラリーに再生され

ノスタルジックな雰囲気で人気の観光スポットとなっています。

 

 

かつてこの辺りは幾筋もの運河があり、

安平港から運ばれてくる物資がそのまま船で届いたのだそうです。

今、運河はほとんどが埋め立てられました。

この神農街の道幅は当時の運河の道幅だそう。

船が行き交った運河路なんだ。。往時の活気に満ちた喧騒が聞こえてきそうです。

 

商業の中心地・問屋街としての賑わいは

日本統治時代も貿易の拠点として続きましたが

統治時代の終了ととに衰退してしまいました。

 

近年になり

「老屋欣力」(歴史的に価値のある古い建物をリノベーションし、保存・活用すること)

という考え方に基づく政策が台湾で行われるようになり

神農街も再生されて、結果、この地域の活性化にもつながっているとのこと。

 

だから台湾のあちこちでレトロでオシャレな建物を目にするのですね。

デジタルとアナログの共存。

またまた感心してしまいました。

 

バナナ

 

それにしても。

 

私好みのキュンキュンするような可愛い建物があちこちに。

私、異郷の地で窓辺と建物を見るのが大好きなんですラブラブ

 

 

 

かわいい造作のバルコニー

 

神農街では2階にバルコニーのある建物をよく見かけましたが

あとで調べたら、

問屋街として栄えていた運河時代、

店舗の2階から船へ荷物を上げ下げしていた名残なのだそう。

 

赤い花と提灯とバルコニー、情緒満点です。

 

あとよく目を引いたのがこんなの。

 

 

レトロな格子窓。「鉄窓花」というそうです。

ちょっとヨーロッパの窓辺を思わせるエキゾチックな雰囲気。

 

 

 

青絵のタイルが貼ってある壁と、木製の上げ下げ窓。

時間の流れを思わせる古びた造作が周りの景色に自然に溶け込んでいます。

南欧とアジアの情緒を同時に感じてしまうような不思議な魅力がありました。

 

バナナ

 

神農街の一番奥にある『薬王廟』

 

1685年に建てられた台湾最古の薬王廟です。

「神農」を主祭神として祀られていて『神農街』の名前の由来になっているそうです。

 

写真左奥にある大きな木、なんだと思いますか?

 

近寄ってみたら、なんて大きなガジュマルの木!

 

樹齢300年以上だそうです。

「榕松公」としてお祀りされていました。

老木に宿る神様・・・万国共通の信仰ですが、それにしても大きい!

ここには確かに熱帯地域の風が吹いていました。

 

 

時刻は18:30を回っています。

提灯にあかりが入って、さらにいい風情になってきました。

夕暮れ時の情緒を求めてでしょうか、人も多くなってきました。

 

 

神農街のお店は午後からの営業が多いので

散策やお買い物には夕暮れ時がおススメです。

 

私たちはシュミでどこまでも歩くのでここまで徒歩でのアクセスでしたが

台鉄台南駅から出ているバスで行けます。タクシーを使っても長い距離ではないので大丈夫。

いずれも駅から10~15分くらいだそうです。

台南に来たら是非、”ノスタルジック台湾”を味わいにお立ち寄りを!、、、って

私、観光ガイドさんみたいなこと言ってますね爆笑

 

バナナ

 

そろそろ夕ご飯食べたいのでホテル方面に戻ります。

もちろん歩きでピンク音符チョキ

 

 

その前に台南観光の王道『赤崁楼』を少し見学。

 

夜にライトアップされるとのことでそれを目当てにこの時間の見学です。

 

台湾がオランダの統治下にあった1653年

この地に要塞プロビンシア城が築かれました。

 

 

その後1662年に

日本人を母に持ちアジアの英雄として今も台湾の人々に愛されている

鄭成功がオランダを駆逐。

この要塞城は「赤崁楼」と名付けられました。

ここに「承天府」という役所の役割をする機関が設置され

以来、鄭成功が亡くなるまで政治の中心地となったそうです。

台湾の歴史を物語るランドマークなのですね。

 

敷地内には、これまた大きなガジュマルの木。

右側に写っているレンガ色の建造物はオランダ時代の出入り口だそうです。

この時はそれと意識しなかったので半分しか写っていませんがタラー

 

建物の中に入ることができます。

 

 

この奥に階段があって登ってみました

暮れゆく台南の街を見渡せました。

エキゾチックなドア越しに眺めれば、鄭成功さんの目になった気分。

 

 

赤崁楼

8:30~21:30(無休) 入場券70NTD

 

 

バナナ

 

時刻は19:30頃

 

ホテルに戻ります。

 

きょうの夜ご飯は

赤崁楼近くのお店でテイクアウトし、ホテルでいただくことにしました。

お店で食べるご飯も雰囲気あって好きですが

シャワーを浴びて寛いでゆっくり・・・っていうのもいいかな、と。

 

で、こちらが食べた物。

 

焼きビーフンと、なんかの肉巻き(名前忘れました)。

美味しそうに撮れていないのが残念ですが美味しかったです爆笑

 

 

あと特記しておきたいのが左上の煮卵。

コンビニで買ったものです(ホテル横のファミリーマート)

名前は「茶葉蛋(チャーイェダン)」という台湾の煮卵。

ウーロン茶やプーアル茶、紅茶などの茶葉、八角、シナモンなどの香辛料

とともに醤油味で煮込まれています。

たいていは殻付きのまま大きな鍋に入っていて

自分で好きな数を取って傍に備えてあるビニール袋に入れてレジで会計してもらいます。

 

八角の匂いが苦手な方はそもそもコンビニに入ることさえ躊躇してしまうかも。

台湾のコンビニは入った瞬間(入る前から?)この匂いが漂ってきます。

 

私たちは八角好きなので茶葉蛋は美味しく頂きました。

しかも二日続けて食べちゃったにっこり

 

 

そしてもう一つ、これも書かなきゃ!!

「阮的肉干」というお店で売っていた干し肉。

(台北駅のお土産物屋さんで買いました)

 

私がむかーし台湾土産で頂いたことがある

日本では見たことなかった幻のとっても美味しい干し肉。

今回の台湾旅の目的の一つがこの美味しい干し肉ゲットでした。

ところが検疫上の理由で台湾から海外への肉類の持ち出しは禁止されているとのこと。

茨城空港を出る時にそのことを知り、残念ですがお土産としての持ち帰りはあきらめました。

 

というワケで現地調達、現地消化。

 

ビーフジャーキーなのですが少し甘くて香辛料も効いていてとっても美味しい!!

あー日本に持って帰れたらなー

生肉じゃないしきっちり梱包されているし問題ないと思うのですが・・・

台湾当局の方、何とかしてくださーい!!とホテルで叫ぶ私たちなのでした。

 

長い旅路?!の3日目も無事終了

 

きょうもよく歩きましたうずまき

 

そして今回の記事はちょっと長かった!

さいごまでお付き合いくださりありがとうございました。

 

バナナ

 

明日は名残惜しくも台南を離れ再び台北へ向かいます。

その様子は次回に。

 

 

ご訪問ありがとうございました。   えみな