食べるためにひたすら歩いた台南 | 旅するえみな

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—旅する鞄—
  故郷定住08


旅はナナメ歩きが面白い

行く手を阻むは「寝そべり犬」と「亭仔脚」

 

台湾を初めて訪れている私たちは

今回の旅の目的の一つ「台湾新幹線に乗る」を実行し、

台北から約1時間半、台湾の古都台南にやってきました。

 

時刻は13:30を回っています。

けど、まだお昼ご飯にありつけていません。

さらに、自分たちがどこにいるのかよくわからない、

という状況でこの場所に立っています。。。

 

バナナ

 

台湾新幹線台南駅から台南市内ゆきの無料シャトルバスに乗ったはいいのですが

このバスは何故か台鐵台南駅前は通りません。

そのことはネット検索で見つけたバス路線図から分かっていたのですが

やっぱり「無料シャトルバス」という響きに惹かれて利用することにしちゃったのでした。

 

バス停の名前を見ても、それが一体どこなのか土地勘のない私たちには見当もつきません。

旅行前にグーグルマップを見て推測した「目的の場所に一番近そうなバス停」で

降りてみた私たちなのでしたが・・・

 

 

降りたバス停の名は『延平郡王祠』

台湾の英雄・鄭成功を祀った廟として代表的な観光スポットです。

 

けれども今は、花より団子。

立ち寄らずに昼ごはん目的店『再發號』を目指します。

(黄色い線のルート)

もう頭の中には「ちまき」しかない!よだれ

 

こうして簡単な地図で見るとすぐ行けそうな感じがするのですが・・・

 

当たり前ですが道路の周りには種々雑多な建物や公園などがあって

土地勘がない旅人は

「どの道を進めばいいのかわからない見知らぬ場所」

という気分ばかりが先に立ってしまうのです。。。

 

バナナ

 

グーグルマップを頼りに歩き始めます。

じりじりと暑い。やっぱり南国です。リュックから帽子を引っ張り出しました。

昨日宿泊したホテルにサービスとして置いてあったミネラルウォーターを

出がけにリュックのポケットに押し込んできていたので

帽子を被るついでに一口ごくりと飲んでから、歩きを再開。

 

バナナ

 

道路沿いに並ぶ小さなお店は

50年くらい前まで日本各地にあったような商店街を彷彿とさせる

どこか懐かしい感じでした。

稲荷ずしや太巻きを売っているお店もあり面白い。。。

 

そんな街の風景に気を取られていると突然

足元に何かの気配。

 

ドキっとして視線を落とせばそこには・・・

 

犬⁈

 
 
歩道にどでーんとワンちゃんが寝そべっていました。
私たちが至近距離まで近づいても動きません。
首輪は付けていましたがリードはありませんでした。
 
そういえば昨日九份でも見かけました。
寝そべる犬たち。。。
 
あまりに可愛らしく面白いので、思わず立ち止まってパチリ!
 
このワンちゃんたちは、私が何枚写真を撮ろうと、
何人もの観光客が立ちどまっては「あら、カワイイ!」と騒ごうと
どの1匹も立ち上がる気配はなく穏やか―なお顔で寝そべっているのでした。
 
🐶
 
そういえば、
台湾にいる間じゅう私が見かけたのはこのように寝そべってる犬ばかりでした。
それ以外で見かけたワンちゃんはご主人さまとバイクに乗っていましたニコニコWW
 
そして台湾のワンちゃんは吠えない・・。
吠えたのを見たこともなかったし吠えられたこともありませんでした。
飛び掛かってもこないし、じゃれてもきません。
リードで繋がれている犬にも会いませんでした。
(首輪は付けているワンちゃんが多かったかな)
 
心なしかみんなのんびりして幸せそうに見えました。。。
どんなふうに躾けたらこうなるのかしら・・・?
 
🐶
 
台湾のワンちゃん事情はちょっと気になるところですが先を急ぎましょう長音記号2
 
相変わらずレトロな感じのお店が続く通路を進んでいたら
「あ!」と、少し後ろを歩いていた夫の声。
振り返れば
「段差に引っかかって転ぶところだった―、危ない、危ない」と。
私「そうだよ、気を付けて!」
 
そうなのです。
台湾の街を歩いたことある方なら「あーあれね」とすぐわかると思います。
 
その正体は『亭仔脚(ていしきゃく)』
 
亭仔脚(騎楼とも言います)とは、通りに面した建物の1階部分をくり抜き、
通行できるようになっているスペースのこと。
約250年前、中国の福建や広州などから台湾に伝わった建築様式だそうです。
 
(台北・迪化街の亭仔脚。1階部分がくりぬかれ通路になっている様子)
 
(同じく台北・迪化街の亭仔脚の様子。くりぬかれた通路がアーケード状になっています)
 
 
台湾滞在中は雨や日差しがしのげて便利な面も多かったのですが、
一方、大きな難点が・・・タラー
それは通路の至る所にある段差。
 
亭仔脚を形成している個々の建物は
それぞれの事情のもとそれぞれに造られているので
結果として一階部分の高さがまちまち。
それがそのまま通路の段差となって反映しているのです。
 
このようにスロープが作ってあるところはまだ良いのですが、
ただ在るがままに段差になっているところ、
なかでも、その段差がわりと小さいところが危ないのです。
ある程度の高さがあれば「段差有る!」って注意するけど、
小さな段差は有ることに気がつかなかったりして不用意にけつまずいてしまう・・・
 
で、夫がそのトラップにハマったというワケなのです。
転ばなかっただけラッキーでしたがニコニコ
 
(台南市内の亭仔脚の様子)
 
 
(同じく台南市内・亭仔脚が通路状になっている様子)
 
亭仔脚の空洞スペースは、それぞれその建物の所有者のものだそうです。
だからバイクやら観葉植物やら諸々その建物の持ち主の私物が置かれていたりします。
亭仔脚の通路を、日本の一般的な公共の通路と同じだと思いこんでしまうと、
こんなところにモノ置いたりしてちょっと歩きずらいぞ!と感じてしまうのですが・・・
この『亭仔脚という通路』は、
公共でもあり、私物でもあり・・・なんとも面白い文化ですにっこり
 
原則的には亭仔脚にものを置いて通行を妨げてはいけないそうですが・・
それほど厳しい線引きでもないそうな。
 
 
時にはこんな光景も。。。
この時は邪魔という気持ちよりも、
小さな店先で仕事の合間に読書するご婦人に
とっても感動してしまい思わずパチリとしてしまったのでしたが。
 
バナナ
 
さて
寝そべり犬に行く手を阻まれたり、亭仔脚の段差に躓いたりしながら
(ロールプレイングゲームみたいにっこり
やっと目指す『再發號』を見つけました!
 
 
 
わーい!やっとお昼だ!ちまきだー飛び出すハート
 
このお店は西暦1872年から変わらぬ製法で、台南伝統の味を今に伝える
「肉ちまき」で有名。
 
 
私たちが訪れたのはもう2時に近く、ランチの時間はとうに過ぎていたせいか
お客さんは私たちのほかに一組だけでした。
 
 
伝票にオーダーするものを記入するための赤鉛筆。
懐かし―!糸を引いてくるくると包んである木?を剝いて芯をだすやつ。
今の日本にもあるのかしら?!
 
こういう古い文化を捨ててしまうことなく大事に使っている台湾に
とっても共感するものを感じました。
 
 
私たちが選んだのは「八寶肉粽」(110NTD≒550円)
具は、豚肉、椎茸、干しエビ、卵、貝柱、揚げ魚のすり身、肉そぼろ、栗。
甘辛のタレ(塩辛くなく、ちょうどいい加減)に浸されています。ちょっと八角風味。
これはすごく美味しかったです!
思い出したらまた食べたくなってしまいましたよだれ
 
そしてとっても大きい!
よく日本で目にするちまきの2~3倍はありそう!
まさかこんなに大きいとは思わず私たちはひとり一個ずつ頼んでしまいましたが
大丈夫!お腹空いていたし美味しかったし、完食でした。
 
あともう一品
牡蠣のスープ
小ぶりの牡蠣がたくさん入っていてエキスたっぷりという感じですが
味付けはまろやかな塩味。
これもとても美味しかったです。
 
いやーこの美味しいちまきにたどり着くまでどれだけ時間と労力を割いたことか。
誰に頼まれたわけでもなく好きでやっていることだけどね長音記号2
迷いながら歩き回るのが好きなちょっとへんてこりんな私たち爆笑
 
 
このお店は台鐵台南駅から1キロくらいの場所にあります。
観光で訪れる多くの人はタクシーなどを利用するみたいです。
台湾のタクシー代は日本に比べて割安なのでそれもいいかもしれません。
 
バナナ
 
ご飯食べたら次はデザート食べたーい!
 
 
というわけで、
ちまきに大満足した私たちはデザートを食べようと
さらなる街歩きへと突入するのでした。
 
豆花か、かき氷か、タピオカミルクティーか、フルーツか・・・
頭の中をおいしそうなスイーツがグルグルしますよだれ
 
 
もはや私たち、食べるために歩き回る人になってます笑
その様子は次回に。
 
 
 
ご訪問ありがとうございました。   えみな